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記事2004年3月3日 1926号 (2面) 
学力向上、私学との競争に対応
文科相と全高長懇談
五日制を選択制に
 河村建夫・文部科学大臣と全国高等学校長協会(会長=小栗洋・東京都立新宿高校長)との懇談会が二月二十七日、東京・千代田区の東條インペリアパレスで開かれた。懇談会のテーマは「学力向上の推進」。
 この席で小栗会長は、学習指導要領の改訂により中学校で学んでいた内容の一部が高校に移行し、高校で学習する内容が増えたにもかかわらず、学校週五日制の実施で減少した授業時数をカバーするため「ゼロ時限授業」「七、八時限授業」「休業日の削減」「二学期制への移行」などが実施されているが、どれも無理があること、休業日の土曜日に行われている補習は、教員のボランティアによって行われており、万一、通勤途中で教員が事故に遭っても公務災害とならないことなどを指摘。さらに私立高校は五日制から六日制にどんどん戻しており、それを大きくPRしているため、五日制の公立高校と六日制の私立学校では勝負にならないことを強調。
 その上で埼玉県教育委員会が始めた土曜日の補習も勤務とする取り組みを全国に拡大すること、学校週五日制か六日制については各学校が選択できるようにしてほしいと文科相に要請した。このほか学習に限らず生徒の忍耐力が全般的に低下していること、保護者の教育が重要だが、学校には荷が重いため対策を考えてほしいと要請した。
 ほかの校長からは、「優秀な生徒が私立の中高一貫校に流出している。(五日制か六日制を選択制にして)公立と私立が同じ土俵で競い合えるようにしてほしい」との発言も聞かれた。
 この日は衆議院の文部科学委員会が予定されていたこともあり、懇談は正味三十分ほどだったが、河村文科相は全高長側の要請に「五日制は議論しつくされてきた問題」などと答えた。

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