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記事2004年3月23日 1928号 (2面) 
インタビュー 自由民主党・文部科学部会長 塩谷 立 氏(衆議院議員)
国公私格差の是正必要
文教合同に4つの小委を設置
少子化・財政難の中で 私学助成の仕組み検討
 自由民主党の文部科学部会・文教制度調査会合同会議は先月、「学校教育」「高等教育」「私学振興」「幼児教育」の四つの小委員会を立ち上げた。そこで小委員会設置の理由や見通しを、また与党内で検討が進められている教育基本法改正の問題等について、三月二日、自由民主党の塩谷立・文部科学部会長に伺った。(編集部)

 ――小委員会設置の理由は何ですか。
 塩谷部会長 「学校教育」に関しては、義務教育国庫負担制度見直しの問題があるので、学校教育、義務教育の在り方、教育委員会制度について検討する。地域の人が学校の管理運営に参画する学校運営協議会の設置を可能とする法案も近く国会に提出される。法案は地域運営学校の指定を教育委員会が行うことになっているが、地域の学校でもっと自由にできてもよいと思う。どこかで押さえは必要だが、もっと柔軟な教育委員会に、ということは誰もが思っている。「高等教育」については、四月から国立大学が法人化されるので、そういう時代の高等教育の在り方やビジョンを明確にする必要がある。
 「私学振興」は、少子化や財政が厳しい中で、私学を助成していく仕組みをどう確立するかという問題。私立学校振興助成法(による助成)はある面で限界に来ている。生徒一人当たりでは国が投入している金額は国公立と私立では大きな格差になっている。大学では国立が法人化されるということから、イコールフッティングを考えていく必要がある。私学の皆さんにも大いに関心を持ってもらい、具体的な方法を検討してほしい。少子化で大学も淘汰される時代になるが、経営難の場合の扱いもしっかりしてないと子供たちが大変なことになる。受け皿を作りながらということになる。

 ――私学の倒産≠ヨの対応ということも視野に入れているのですか。
 部会長 学校をどう引き継ぐかという話であり、私学に対する国民の認識もしっかりしたものとしなければいけない。今回の私立学校法改正は国民に私学の頑張っていることを理解してもらうためのものだ。

 ――高校以下は三位一体の改革で国庫補助の廃止・縮減が取り沙汰されていますが。
 部会長 理論的な問題と、国として財源をどれだけつけられるかということだと思う。「幼児教育」は総合施設など幼保一元化問題、幼児教育を検討する。形としては総合施設がいいと思う。

 ――教育基本法の改正問題は与党内で検討が進んでいるようですが。
 部会長 一つ一つの問題について議論しているが、これからは結論をつけていかなければいけない。条文も書いたりしようということになっているが、固まるまでは公表しない方針だ。
 ――与党での検討結果は議員立法にまとめるのか、政府案に反映させるのか、どちらですか。
 部会長 やっぱり政府案だろう。

 ――今後の見通しは。
 部会長 できれば自民党としては連休くらいに一回まとめたいと思っている。来年の通常国会までに答えをださないといけないと思う。

 ――教育分野の構造改革をどう考えますか。
 部会長 株式会社の学校もあっていいが、基本的には学校法人だと思う。ある程度緩和もいいが、限界はあると思う。改革は必要だと思う。ただ問題は良い結果が生まれるかで、そこが見えない。皆が英知を絞り良い改革にする必要がある。

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