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記事2004年2月3日 1923号 (9面) 
新校長インタビュー (96) ―― 関東第一高等学校
校長 池田 二郎氏
決めたら最後まで成し遂げる
感謝、希望、人を大切に


 関東第一高等学校(池田二郎校長、東京都江戸川区)は大正十四年、帝国書院の創業者でもあった守屋荒美雄氏によって創立された。そこで得た利益を家族や子孫にのこすことなく、不況で苦しむ私立学校の資金援助に用いた。その数は四、五十校にも及ぶ。
 この創立者の生き方が、同校の校訓「貫行」という言葉に表されている。「貫行」とは、「一度決心したことは最後まであきらめずにやり遂げる。人としてまっすぐな生き方ができる力を養う」という意味だ。
 池田校長は昨年の入学式で「感謝・希望・人を大切に」――この三つをキーワードに生徒たちに語りかけた。その中でも特に池田校長は人とのかかわりを非常に大切にする。毎朝校門に立ち、生徒にあいさつをしているのもその現れだ。「人と人とのかかわり方を知って、高校で一生付き合いのできる友人をつくってほしい。また、クラブ活動で先輩後輩の礼儀を学んでおくことは、社会に出てからも役に立つと思います」。このように高校教育に求められているものを、基礎学力に限らず、善悪の判断力と礼儀・マナーを中心に挙げるのは、同校が今年八十周年を迎える伝統校であるからだが、その伝統に新たな一ページを加えるべく、四月から共学校となる。これについて校長は「創立当時実業学校として男子の育成に携わってきたが、時代の要請は、男女が互いに尊重し合って社会を構成していくというもので、その点共学が最も適している」と、共学に移行することによって学校が活性化されることを期待している。同校は普通科と工業科を持つ。普通科は、進学・普通・スポーツの三コースに分かれ、工業科は、機械・自動車整備・電気・建築の四つの専門分野に分かれる。このうち「自動車整備」は、全国でも珍しい、国土交通省の整備士養成施設校として認定を受けており、卒業後、三級自動車整備士実技国家試験が免除される。
 「生徒諸君に言いたいのは、卒業後の夢と希望を持ってほしい、ということです。夢みたいなことをいつまでもと大人は言いがちですが、好きなことや好きな科目にまっしぐらに向かっていけば、三年間の高校生活が大きく変わるはずです。夢は現実とつながっているものなのです」。同校は共学を契機に確実に生まれ変わろうとしている。

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