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記事2004年2月13日 1924号 (2面)
私学振興の大功労者 坂田道太氏(元文相・元衆院議長)のご逝去悼む
故坂田道太氏 堀越 克明氏 | 【私学の年輪】 文部大臣や衆議院議長等を歴任、私学振興にも多大な功績を残した坂田道太氏が一月十三日、心不全のため、故郷の熊本県八代市内の病院で逝去した。八十七歳だった。そこで坂田氏と親交の厚かった日本私立中学高等学校連合会の堀越克明会長(堀越高校理事長・校長)に坂田氏の思い出を伺った。(編集部) 坂田先生は国会で文教問題を一番熱心に取り上げた政治家でしょうね。坂田先生が初めて国会議員になられたころは、文教問題に取り組む政治家は少なかった。一生をかけて文教問題に取り組まれた稀有(けう)な方でした。若いころから国の段階で、私立学校を盛り立てる方策を盛んに考えておられた。 坂田先生のお父上は旧制五高の教員をされた方でしたし、坂田先生ご自身も、澤柳政太郎先生が興された成城学園で学ばれました。澤柳先生は文部次官、京都帝国大学総長などを務められた後、私学を興された方で、多くの教育者を育てられた方です。私自身は坂田先生が大学の先輩ということで早くからお付き合いをいただき、お亡くなりになるまで堀越学園の理事をお引き受けいただきました。 坂田先生と私学との関係では、私立学校法の成立にもかかわっておられましたし、理科教育、産業教育振興法成立の功労者でもあります。また私立学校振興助成法ができる以前、私立大学等に補助金がなかった時代に補助金の道を開いたのも坂田先生でした。私立高校等については、当初は自治省による地方交付税措置でした。かつて東京大学の安田講堂で学生と機動隊との激しい攻防がありましたが、その当時の文部大臣でした。坂田先生は当時、全国の三十三の大学を回って学生たちと話し、本当にやるべきことを諭したと聞いています。また坂田先生は文部大臣のほか、厚生大臣、法務大臣、防衛庁長官なども務められました。厚相時代には今の年金制度に道を作るなどかなり先見の明があり、幅広い勉強をされた方でした。 しかし坂田先生のお亡くなりになった年に、私立高校等への私学助成の見直しなど「三位一体の改革」が行われるというのも何か皮肉な話です。
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