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記事2004年2月13日 1924号 (5面) 
ユニーク教育 (126) ―― 北陸中学・高等学校
仏教精神に基づき心の教育を重視
自分の行動に自覚と責任

柏山校長

 北陸学園(朝日岳乗理事長、福井県福井市)は明治十三年、浄土真宗本願寺派の僧侶養成機関として誕生した。明治四十三年に北陸中学校(旧制中学校)、昭和二十三年には北陸高等学校として生まれ変わった。その後、平成十年に北陸中学校を開校し、北陸中学(青木利夫校長)・高等学校(柏山善英校長)は創立以来、一貫して「心の教育」を重視している。
 この「心の教育」に基づいて、同校では「み仏の教えを信じ、正しく明るい心を養うこと」「自主の心を養い、自分の行動に自覚と責任を持つこと」「常に勉学にはげみ、ボランティアに努めること」を教育方針にしている。
 「本校で行っている『心の教育』は仏教精神に基づく『人間教育』です。すでに三万人以上の卒業生がいますが、卒業生は就職先からの評判がいいのです。これは本校の『人間教育』が評価されていることだと思います」と柏山校長は語る。
 「人間教育」に基づく教育は、(1)朝の読書(2)宗教行事(3)「北高礼節マニュアル」の遂行(4)龍谷大学との教育連携などに表れている。
 朝の読書タイムでは、生徒は朝十分早く登校し、一斉に好きな本を読む。読書の習慣をつけるとともに、読書することが考える力を育てるという考えに基づいて、朝の読書タイムを設けている。
 「まず、読むことに力を入れることによって、いつの間にか書くことが苦手でなくなるのです。
そして、その成果を発表させるという流れになります」(柏山校長)
 宗教行事では毎朝行われる礼拝から始まり、四月の花祭り、毎月十六日(親鸞聖人のご命日)に行っている謝恩行事、それに仏教授業があるが、昨年から同校が独自に取り組んでいるものに、本願寺福井別院(西別院)での一泊宿泊研修がある。これは、全校クラスごとに仏教はじめ、さまざまなテーマについて話し合いを行い、クラス内の親睦を深めるとともに学習指導を行う。
 同校では、柏山校長が作成した「北高礼節マニュニル」を全校の生徒が持っている。
 「今は家庭で教育がなかなかできなくなっていますので、保護者は学校にそれを期待している面もあります。学校としても、生徒に高校生としての責任を持たせる必要があります」と、柏山校長は基本的な生活態度も重視する。
 このマニュアルは、「服装・容儀」(礼儀にかなった身のこなし、姿)、「言葉遣い」「挨拶(あいさつ)」「男女交際」など、十数項目に分けてそれぞれ注意すべきこと、心掛けることなどが記されている。例えば、「恥ずべき態度」(自分をよく見よ)では、〇言い訳、責任転嫁、弱い者いじめは卑(ひ)怯(きょう)者の態度で恥ずべきである〇他人の失敗を笑わない〇他人が真剣なとき、ふざけた姿勢で見ない――とある。
 「本校は宗教が基本にありますから、このようなマニュアルも生徒たちには受け入れられています」と柏山校長。
 同校が力を入れている取り組みの一つに、龍谷大学との教育連携がある。普通科特進龍大コースでは、本願寺派の系列にある龍谷大学と教育提携を結び、個性と能力を十分に発揮できる教育を行っている。このコースの生徒は優先的に同大学に進学できるようになっている。また英語力をつけるためにオーストラリアヘの一カ月間短期留学も行われている。
 英語教育は中学では週七時間の中で、特にリスニングとスピーキングを重視しており、三年次には全員が実用英語検定試験三級以上の取得を目指している。


英語力を重視する特進龍大コース

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