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記事2004年12月3日 1962号 (1面) 
特別支援学校を創設
中教審中間報告
盲学校などの制度改正へ
中央教育審議会(鳥居泰彦会長=日本私立学校振興・共済事業団理事長)は、十一月二十六日、都内で開いた総会で、特別支援教育を推進するための制度の在り方に関する「中間報告」を承認した。この日委員から出された意見を中間報告に反映するなどの修文を行った上で中山成彬文部科学大臣に提出する。平成十六年度中に答申をまとめる。
 中間報告は中教審の初等中等教育分科会内に設けられた特別支援教育特別委員会(高倉翔委員長=明海大学長)が中心となってまとめた。盲・聾・養護学校に在籍する児童生徒の障害の重度・重複化が進んでいることや、通常の学級に在籍しているLD(学習障害)、ADHD(注意欠陥/多動性障害)、高機能自閉症、アスペルガー症候群を抱える児童生徒への適切な対応が喫緊の課題となっていることから、従来の盲・聾・養護学校という制度を改め、障害のある児童生徒一人ひとりの教育ニーズを把握しながら適切な教育支援を行う「特別支援学校(仮称)」を創設する。特別支援学校では、基本的に現在の盲・聾・養護学校の対象となっている盲・聾・知的障害・肢体不自由・病弱の五つの障害およびこれらの重複障害に対応した教育を行う。
 弾力的な教育課程や指導方法による教育が求められていることから、その内容はできる限り設置者等に委ねる。またLD児等に対しても特別支援学校が先導的な役割を果たす。
 ただし盲学校等の制度がすべてなくなるわけではない。さらに特別支援学校は地域のおける特殊教育のセンター的機能も果たし、小・中学校教員への支援等を行う。
 同時に小・中学校における特殊学級等も見直し、全授業時間固定式の学級を維持するのではなく、通常の学級に在籍した上で障害に応じた教科指導や障害による困難の改善等のための指導時間のみを特別の場で行う形態(特別支援教室・仮称)への制度改正等を目指す。そのため教員免許制度の見直しや特別支援教育コーディネーターが職務に専念できる体制の整備なども提言している。

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