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記事2004年12月3日 1962号 (2面) 
新潟中越地震被害状況 新潟県等11月末調べ
私学の被害5億円超
激甚災害に指定
二分の一補助適用査定は厳しい見通し
十月二十三日に発生し、新潟県を中心に大きな爪痕を残した「新潟県中越地震」について政府は、十一月二十六日、「激甚災害」に指定した。激甚災害に指定されたことにより、被害を受けた私立学校施設の復旧事業については国が二分の一を補助することになった。しかしその被害は大きく、また今後の復旧事業でも補助金の厳しい査定が予想される。

 新潟県が十一月末日現在で政府に報告したところによると、県内の私立学校では、幼稚園三十一園、中学一校、高校七校、専修学校二十七校、各種学校三校の、合わせて六十九校の被害が大きく、被害総額は約五億二千四百万円となる見込み。このなかには一部軽微な被害で済んだ学校分は含まれていない。また今後の調査の進展などで被害金額が増減することも考えられる。新潟県が十一月末日現在でまとめた県内私立学校の被害金額の内訳は、専修学校が約二億五千九百万円、幼稚園が約一億六千七百万円、中学・高校が約九千百万円、各種学校が七百万円。
 また新潟県に隣接する群馬県でも一部私立学校に地震による被害が出ており、幼稚園二園、高校一校の被害総額は三百二十万円となる。
 新潟県と群馬県の被害金額を合計すると、総額で五億三千万円近い額に上る。
 今後は国による被害の査定などが行われるが、「阪神・淡路大震災」の時と同じように財政当局等による厳しい査定が行われる見通しだ。私立学校施設の災害復旧事業に対しては、激甚災害の指定で二分の一の補助率が適用されることになったが、実際の補助額は私立学校の復旧事業費の二分の一を下回ることになりそうだ。
 一方、新潟県私立中学高等学校協会(牧野正弘会長=新潟第一中学・高校長)は、十一月二十四日、新潟県中越地震による私立中学高校の被害状況を明らかにした(別表参照)。時間的ずれがあることや、国の災害復旧事業が軽微な被害を対象にしていないことなどから被害校数が多少異なっている。しかし十一月五日現在で寄せられた報告では、学校施設の幅広い範囲で被害が確認されており、数千万円の被害となっている学校もある。
 また十一月五日には新潟県内の私立中学高校で授業が約二週間ぶりに再開された(実質的には十一月四日)が、十一月五日現在で交通路不通のため欠席している生徒が約百七十人にも達した。
 その後復旧事業が進み、十一月中旬には大きく数を減らしているが、なお通学できない生徒や自宅が倒壊の危険があり避難している生徒もいる。

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