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記事2004年12月23日 1964号 (1面) 
私学経常費補助前年度比増額を実現
平成17年度私学関係政府予算案
私大等0.9%増の3、293億
高校等0.5%増の1、034億円
 政府の平成十七年度予算案が十二月二十二日の大臣折衝を経て確定した。二十四日に閣議決定される。焦点の来年度の私学助成は、私立大学等経常費補助金が、前年度比三十億円、〇・九%増の三千二百九十二億五千万円、私立高等学校等経常費助成費補助金が同五億円、〇・五%増の一千三十三億五千万円となった。特に私立高等学校等経常費助成費補助金は三位一体の改革で全廃も検討されただけに、私学関係者は政府・与党関係者に強く感謝している。

 平成十七年度の政府予算案編成は、十二月二十日、財務省原案が内示され、大詰めの攻防がスタートした。同日、私学団体では例年通り、私学会館に予算対策本部を開設、情報の収集や対策会議等を開いて対応した。
 文部科学省や与党幹部、文教関係者らを訪ねて私学団体代表らは、私学助成が減額されれば、保護者の負担する学費が上がり、その教育費が重荷となって生まれる子供の数が減少し、我が国の活力が減退することなどを訴えた。しかし結局、両私学助成金は最終段階である十二月二十二日の大臣折衝にもつれ込むことになった。
 その大臣折衝の結果、私立大学等経常費補助金では九十五億二千五百万円、私立高等学校等経常費助成費補助金では五十五億四千八百万円の増額が決まった。私立大学等経常費補助金の中には法科大学院支援経費四十億が含まれている。同支援経費は前年度比六〇%の増額。
 大臣折衝を終えて文部科学省内で成果の報告を行った中山成彬大臣は、私学助成と科学研究費補助金の増額に喜びながらも、来年度は義務教育費国庫負担金の行方が決まる年だけに平成十七年度はわが国の教育にとって極めて大事な年との認識を示した。
 このほかの私学関係予算を見てみると――。
 私立大学・大学院等教育研究装置施設整備費補助金は、百四十三億四千九百万円となった。前年度と比べ二十四億三千二百万円、一四・五%の減額にとどまった。
 私立高等学校等施設高機能化整備費補助金は、十八億七千八百万円となり、前年度比では六千八百万円、三・五%のマイナス。
 私立大学等研究設備等整備費補助金は六十億六千八百万円となった。前年度比では二億七千九百四十二万六千円、四・八%の増額。
 私立高等学校等IT教育設備整備推進事業は、十四億九千六百万円となった。前年度比では一億二千百万円、八・八%の増額で、施設関係の補助金の減額とは対照的。
 私立学校施設高度化推進事業費補助金(利子助成)は十一億八千九百万八千円となった。前年度と比べ六億円、一〇一・九%という大幅増額。
 財団法人日本私学教育研究所に対する補助金(同研究所が私立学校教員を対象に行っている初任者研修事業等への補助等)は五千六百四十一万四千円となった。前年度比三百万円近い減額で五%のマイナス。
 同研究所に対する補助金は年々減額されており、同研究所は前年度にも増して厳しい運営が求められることになる。
 日本私立学校振興・共済事業団の私立学校への貸付事業については、財政融資資金から前年度比五・九%マイナスの百六十億円が予算化される。
 日本私立学校振興・共済事業団に対する補助金は、事業費補助(長期給付)は五百三十六億九千五百八十七万四千円で前年度比七・五%の増額。また事業費補助は三億九千七百七十四万円で、前年度比二・一%の減額となった。私立幼稚園施設整備費補助金は前年度比三千九百万円、三・〇%減の十二億五千四百万円。
 幼稚園就園奨励費補助金は、前年度比二千七百万円、〇・一%増の百八十一億一千四百万円となった。
 (私学関係予算等の詳細は近く掲載予定)

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