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記事2004年12月23日 1964号 (7面) 
新校長インタビュー (113) ―― 國學院高等学校
校長 宮舘 毅氏
「明、清、正、直」の精神で
準備なくして教室に入るな


國學院高等学校(宮舘毅校長、東京都渋谷区)は百二十年以上の伝統を誇る國學院大學を母体とし、昭和二十三年開校され、今年で五十六年目を迎えた。「國體の講明(国の成り立ちと国の有り方を知り、国の将来の進むべき道を明らかにすること)」と「徳性の涵養(国民の一人ひとりが古来から伝わる道徳心を理解して、各自の人生を全うすること)」の二つを建学の精神に掲げる。
 宮舘校長は「この伝統を受けつつも新しいものを少しずつ取り入れて、一歩一歩前進していきたい」と抱負を語る。
 同校の教育の特徴の一つは、週五日制・五十分七時間授業(週二日)を実施していることだ。週五日制を導入しながら、三十二単位を維持し、しかも受験偏重に陥らないように配慮している。
 一年次では、芸術を除いて全員共通で、英語・国語・数学の三教科に重点を置き、基礎学力の充実に努める。二年次から文系、理系のコースに分かれ、三年次では選択科目を設けて学力の充実を図っている。男子の半分近くが理系志望だ。
 同校の生徒の國學院大への進学は約二〇%となっている。高校の三年間で進学実績を出せる学力を身につけさせる必要があるので、基礎から丁寧に指導をしている。
 同校では「準備なくして教室に入るべからず」の精神が開校以来脈々と伝わっている。毎日の授業を重視しているからだ。
 「最近の事件を見ていますと、戦後教育のひずみがここにきて現れているように思います。戦後、物が豊かになって、かえって心の豊かさが欠落してきているのではないか」とし、「本校の生徒たちには、『先行きどのようなことがあるか分からない時代だから、先見の明を持つように』と話しています」と宮舘校長。
 宮舘校長は生徒に「明(めい)(あかるく)、清(じょう)(きよく)、正(せい)(ただしく)、直(ちょく)(すなおに)」という言葉を伝えている。こういう時代にこそ、「明、清、正、直」が要求されるからだという。
 クラブ活動も活発で、高校から弓道を始めた生徒(弓道部)が、関東大会をはじめ、インターハイ、全国選抜レベルにまで成長している。
 伝統的に質実な校風をもち礼儀正しく、素直な生徒が多いことも昨今の社会風潮の中で、世間から高い評価を受けている要素の一つであろう。

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