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記事2004年12月13日 1963号 (1面) 
「読解力」が大きく転落 OECD学力調査
数学的リテラシーも後退
3年ぶり、41カ国、15歳を対象に実施
欧州諸国のほか、日米など三十カ国が加盟するOECD(経済協力開発機構)は、十二月六日、三年に一度実施している「学習到達度調査」(PISA2003)の調査結果を発表した。今回の調査結果によると、わが国は前回(二〇〇〇年)の調査結果と比べ、「数学的リテラシー」は一位グループながらも、一位から六位に転落、「読解力」は前回の二位グループ八位からOECD平均と同程度の十四位に低下していた。「科学的リテラシー」は前回と変わらぬ一位グループ二位、問題解決能力は四位(前回は未調査)だった。この調査は義務教育修了段階の十五歳児を対象に知識や技能を、実生活のさまざまな場面で直面する課題にどの程度活用できるかの観点から「数学的リテラシー」「読解力」「科学的リテラシー」「問題解決能力」の四つの分野で評価するもの。暗記力などを競うものではない。
 今回の調査はOECD加盟国に非加盟の十一の国と地域を加えた、二十七万六千人が対象。日本の生徒は約四千七百人が参加。特に今回は、「数学的リテラシー」を重点的に調査(調査時間の三分の二を費やす)した。前回は「読解力」に重点が置かれた。数学への興味・関心等に関する調査では、「数学の授業が楽しみである」と答えた生徒は二六%で、OECD平均を下回っていた。またわが国の生徒は数学を得意だと感じている割合や学んだ数学を日常生活にどう応用できるかを考える割合も少なかった。国際比較で「数学的リテラシー」の得点の高い国・地域トップスリーは、(1)香港(2)フィンランド(3)韓国。「読解力」は(1)フィンランド(2)韓国(3)カナダ。「科学的リテラシー」は(1)フィンランド(2)日本(3)香港。「問題解決能力」は(1)韓国(2)香港(3)フィンランド。フィンランドが高得点なのは、学校間格差が小さい、教員と生徒の関係が良好、教員は大学院修士課程卒などと説明している。

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