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記事2004年11月3日 1956号 (7面) 
新校長インタビュー (111) ―― 武蔵野東中学校
校長 石橋 恵二氏
小中九カ年一貫教育
基礎学力、体力、素直な子に


「小中の九カ年一貫教育に一層力を注ぎ、確立させたいと思っています」と、石橋恵二・武蔵野東中学校長(東京都小金井市)は力強く話す。
 石橋校長は武蔵野学園本部で秘書室長、武蔵野東小学校長、そして現在では小学校長と兼務し、多忙な生活を送っている。小学校を卒業した子供たちがどのように成長したかを見ることができる良い機会だった。「中学へ来て、子供の変わり方や、学習面やスポーツ面で力を伸ばすためには、小学校でどのような教育をしたらよいかがよく分かりました」と実感する。
 「小学校では基礎学力、基礎体力はもちろんですが、まじめで、素直な子供に育てなければいけないと強く思いました」。
 中学は義務教育の仕上げの場として、人間としてあるべき姿、人間教育を追求し、小中の一貫教育の独自性を発揮させていく方針だ。
 その一環として四年前から「生命科」の授業を行っている。週一時間の授業では、自分や他者の存在の重さ、命の尊さを感じる人間教育を中心に、環境、生命、友愛や死生観などのテーマを三年間のカリキュラムに取り入れている。
 学習面では、数学と英語に力を置いている。少人数制習熟度別授業を実施、一年から「特別コース」を設置している。英語は週七時間行っており、コミュニケーションを重視したカリキュラムを編成。三年になると、週三回、放課後二時間を「特別進学学習」として、高校受験のために指導を行っている。
 「十五歳で納得した進むべき方向を選べるのです。生徒、保護者には今の力が
すべてだと思わないようにと言い続けています」。
 また、石橋校長は心と体と知のバランスの取れた子供を育成するために、体力づくりの必要性も重視している。
 同校は健常児とハンディキャップを持った自閉症児が一緒に学ぶ混合教育を実施していることで知られている。「教育の原点は子の幸せをねがう親の心にある」という創立者の思いが表れている。
 「健常児には自然に手をさしのべる優しさ、温かさが身につき、自閉症児にはその優しさが好影響を与えていきます。混合教育は最も根幹的な部分に適した教育方法であると確信しています」。
 混合教育に対し、その実績も社会から評価されている。

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