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記事2004年11月3日 1956号 (7面) 
中国地区中高校父母の会島根大会 中国地区私中高PTA連絡協
私学助成は国の責任
国庫補助堅持を決議
保護者、教職員が一堂に参集
各県の私学団体、あるいは私学へ子供を通わせている父母の団体が主催者となり、国庫補助堅持、教育費保護者負担の軽減や教育費の公私間格差の是正を訴え、私学振興大会を開催している。

 島根県私立中学高等学校PTA連合会(寿山勉会長)は九月十一日、島根県松江市の島根県民会館で「第二十九回中国地区私立中学高等学校父母の会島根大会」を実施した。会場には私立中学高校へ子供を通わしている保護者や、教職員ら約千百人が集った。なお、当日は功労者表彰も行われた。
 主催は鳥取、岡山、広島、山口、島根各県の私立中高のPTA・父母の会連合会や後援会で組織されている中国地区私立中学高等学校PTA連絡協議会(上田宗嗣会長)。
 上田会長はあいさつの中で、現在政府が進めている「三位一体改革」について、私学助成費などを含む国庫補助金を維持しなければ、教育のあり方に影響を与えることになるとし、「私学助成は国の責任で行われることが極めて重要だ」と述べた。
 全国私立小学校・中学校・高等学校父母の会連絡協議会の池田〓会長は「『三位一体改革』により高校以下の経常費助成費補助金を含む国庫補助金が廃止され、一般財源化されることになれば、各県の私学助成に大きな格差を生じるのではないか」と、三位一体改革に対する危機感を表した。
 中国地区私立中学高等学校経営者協議会の山中幸平会長(山中学園理事長)は「教育については国が責任を持つべきだ。国庫補助の維持をお願いしたい」とし、「日本の教育をどうするかをまず考え、その上で公教育の一翼を担う私学の財政的措置を考えるべきだ」と強調した。
 来賓として、澄田信義・島根県知事の祝辞を代読した島田一嗣・出納長は県政を進める上での柱の一つとして「新しい時代を切り拓く人材の育む島根の国づくり」を紹介し、「私立学校の存在意義や特性を十分考慮し、授業料減免事業や特色ある学校づくりの取り組みに対する財政的支援など、今後とも私学の振興に力を注いで参りたいと考えている」とあいさつした。
 大会では@国庫補助制度の堅持と保護者教育費負担の軽減、私立学校施設整備関係補助制度の充実を図ることA公私立学校教育の役割分担の適正化を図るとともに、教育改革の実施にあたって、公・私立学校共存の原則が確立されるよう適切な措置をとること――を決議した。
 記念講演として、戸武司・島根県立看護短期大学長が「高校生に身につけてほしい力」の演題で、生きる力や心の充実などについて言及し、「これからの時代に求められるのは教養、感性、考える力、創造する力だ」と指摘した。
 また、学習発表では開星中学・高校新体操部の新体操と、江の川高校郷土芸能同好会の石見神楽が披露された。

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