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記事2004年11月3日 1056号 (8面) 
ユニーク教育 (136) ―― 松徳女学院中学高等学校
男女共学で一歩前進
週6日制、アドバンスコース導入

庄司校長

松徳女学院中学高等学校(庄司肇校長、島根県松江市)は、平成十七年度からステップアップする。創立五十年目を迎える来年四月から男女共学校として新たな一歩を踏み出すとともに、週六日制、「アドバンスコース」を導入する。
 同女学院は一八七一年にスペインで創立されたカトリック修道会イエズス孝女会を母体とし、一九五六年、創立された。カトリック精神に基づいた豊かな人間性をはぐくむことを建学の精神とする同校は、一人ひとりの個性を大切にし、社会に貢献できる人材を育成することを教育目標に置いている。
 キリスト教的精神に基づき、同校が伝統的に力を入れているのが、国際教育と福祉教育だ。国際教育は、世界十二カ国、約百十校の姉妹校との異文化交流を行っている。現在、スペイン、フィリピン、台湾からの留学生四人がホームステイをしながら同校で学んでいる。
 また、特に福祉教育は体験から心を育てることを重視し、優しさ、思いやり、そして人間愛をはぐくんでいる。その表れとして、ボランティア活動がある。
 全校挙げて、赤い羽根共同募金、老人ホーム・障害者施設訪問、地域ボランティア活動に積極的に参加し、生徒会福祉部では、児童施設や老人ホームへの定期的訪問、空き缶やペットボトルの回収、赤い羽根共同募金などの活動を行っている。高校三年での選択科目「社会福祉」では、学校での福祉の基礎的な知識や介護技術を学び、施設実習も行っており、ホームヘルパー三級の資格を取得できるようになっている。
 ボランティア活動のうち、フィリピンの姉妹校への援助として、募金活動は同校が力を注いでいる活動だ。
 「フィリピン募金活動は本校では十年以上前から行っています。フィリピンの子供が学校で勉強するのにかかる費用(授業料)は、一人当たり年間で九千円あれば賄えるそうです。これによって年間で十人から十五人が学校へ行くことができる額が集まります」と舩木雅哉教諭は語る。
 生徒が活動できる機会はさまざまだ――「学園祭の模擬店の収益金をはじめ各種行事で集まった金額を送っています」(持田みゆき教頭)。
 もともと学費援助は現地のシスターの呼び掛けで始まった。フィリピンのパナイ島・イロイロ県のマーシンという町にあるセント・ジェームス・カソリック中学高校では生徒、百三十五人が学業を続けており、八十余人が卒業することができたという。松徳生たちの熱い思いに対し、このほど礼状が届けられた。
 中学ではフィリピン研修旅行に行くが、福祉教育の実践としてマザー・テレサの孤児院で孤児たちとの交流も行っている。
 新制度として導入する「アドバンスコース」は、特に国公立・難関私立大学への進路実現を意識したカリキュラムを編成している。五教科七科目のセンター試験に対応できるもので、理科・数学を中心に学力を身につけさせる。来年度からはより明確な中高一貫教育を進め、次代を担う人づくりを目指している。


新しい制服

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