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記事2004年11月23日 1960号 (2面) 
教員免許更新制導入を討議
教員養成の見直しを求める意見も
【初等中等教育分科会】
 中央教育審議会の第三十回初等中等教育分科会が十一月二日、都内の会館で開かれ、中山成彬・文部科学大臣から諮問のあった今後の教員養成・免許制度の在り方の問題と義務教育の目的・目標が検討された。
 このうち教員養成・免許制度の在り方では、免許更新制をめぐって賛否両論が出された。この中で二年前、教員養成部会の部会長として教員免許更新制見送りの結論をまとめた熨q翔・明海大学長は、「前回の答申から二年たらず。新しい諮問は唐突な面もある。(今回は)社会的信頼性を中心において専門性・適格性を議論すべきだ。現在の教員養成は開放制を前提にしている。今後は節度ある開放制を考えたほうがいい。またそこから更新制を考えていくべきだ」と語った。
 続く自由討議では、「教員の現状を把握しているのか。圧倒的多数の教員はしっかりやっている。正確な現状分析をしてほしい」「この二年間で(状況の)何が変わったのか。ペーパーテストをいくらやっても良い教員は見つからない」といった更新制導入に疑問を投げかける意見が出された一方で、「教員が自らエンカレッジする意欲に欠けている点が問題だ」「もっと国民は質向上を求めている。(今回の諮問は)国民の声だと考えている」「教員の意識を変えることは大問題だと思っている。研修では限界で、新たな手法が必要だ」といった免許更新制導入を求める意見も聞かれた。また教員養成の在り方の見直しを指摘する意見も複数聞かれ「一般大学も教員養成大学も一律に更新制なのか」との意見もあった。
 義務教育の目的・目標に関しては、「日本の義務教育は世界に冠たるもの。しかし画一的といわれる。入り口(就学年齢)と出口(卒業年齢)をもう少し工夫したらどうか」「個に合わせての進級も柔軟でいい」「成績上位三割が私学を受験する。集団作りという観点から不適切ではないか」「(成績が)下の外れていこうという人たちにももっと光を当ててほしい」などの意見が出された。
 そのほか委員から事前に出された意見の概要が事務局(文科省)から提示された。

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