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記事2004年11月23日 1960号 (7面) 
山梨と広島で私学振興大会
子供の将来は国の責任

公的助成制度堅持を決議
保護者ら8万余の署名集める

山 梨


 山梨県私学協会(伊藤信会長=甲府湯田中学高等学校長)は十月十六日、山梨県甲府市の山梨学院大学で「2004山梨私学のつどい 私学振興大会」を開催した。
 伊藤会長はあいさつの中で、私学を取り巻く環境が少子化で厳しいこと、私立高校等の経常費助成等の補助金削減問題に触れ、「国の補助金が廃止になれば、その財源はどこに移るのだろうか。補助金の削減に見合うものを各地方に分配するのだろうか。この直接補助を削減から復活へということで現在、私学関係者は全国運動を展開しています」と述べた。また、「教育費父母負担の公私間格差は、生半可な努力ではカバーしきれないところまできています。こうした危機の中で、私学の良さを県民の皆さまに訴えたい」と強調した。
 来賓祝辞として、深澤登志夫・山梨県議会議員(私学振興議員懇話会長)は「私学の素晴らしさは十分分かっておりますので、皆さんの期待に応えていきたいと思います。私学の占める割合は非常に大きいわけで、責任の重大さを感じています。(私学振興について)皆さんと同じ汗をかくことを約束します」と述べた。
 父母側からの意見発表として、市村智・私立幼稚園PTA連合会長、古井明男・私立中学高等学校PTA連合会長が意見発表し、国庫補助制度の危機を訴え「子供の将来は国の責任にかかっていいる」と力強く発表した。
 大会では「私学はそれぞれ建学の精神を高揚するとともに、相互に密接な連携を保ち、新しい時代にふさわしい個性豊かな教育を推進し、県教育の発展に寄与する」「私立学校の経営の健全化、保護者負担の軽減、教育諸条件の整備を図るため、公的助成制度の堅持、大幅なる増額を要請する」「園児・生徒の急減期に即応して、公私共存の原則を堅持し、適切かつ実効のある施策の展開を図る」「幼稚園就園奨励費補助制度の堅持、充実と完全実施を要請する」「私立学校に通う園児・生徒の保護者に対して、私学教育費の減税制度の創設を要請する」の五点を決議した。
 なお、九月から始めた署名運動で、八万八十六人の署名が集まった。


公私間格差是正を
教育の原点は私学の人間教育
広 島


 広島県私立中学高等学校教育後援会(上田宗嗣会長)と広島県私立中学高等学校協会(山中幸平会長=山中学園理事長)は十月二十三日、広島市のアステールプラザで振興大会を開催した。上田会長は私学を取り巻く環境は厳しく、教育費保護者負担の公私間格差が大きく、学校選択の自由が奪われており、また、私学への国庫補助について「国庫補助は教育を受ける権利を担保している。私学への国庫補助を引き続き要望していきたい」とあいさつした。山中会長は「公教育とは法律に則(のっと)った教育をいい、(この意味では)私学も公教育を行っている」とした。また、政府が進めている三位一体改革については、「将来の教育をどうしなければならないか、今一度考える必要がある。解決方法は私学の中にその道はある。建学の精神を具現するための強い信念もちたい」と決意を述べた。
 来賓として、藤田雄山・広島県知事の祝辞を代読した河野二六夫出納長は、広島の私学が建学の精神の基に個性豊かな教育を行っていることを高く評価したうえで、私学の特色ある教育の推進を重要施策としているとあいさつした。
 また、二宮義人・日本私立中学高等学校連合会副会長・同協会副会長(広陵学園理事長)は中央情勢報告の中で、「教育の原点は人間教育で、私学はすべてこの精神で学校をつくっている。国は(教育について)責任を放棄するのはよくない」と力説した。
 大会では(1)「公私立間における教育費の格差を是正し、保護者負担の軽減を図る」(2)「私学に対する国庫補助を堅持し、私立学校の初等中等教育に対する国の責任を明確にする」(3)「公教育の振興・発展のため、施策の実施に当たっては、公私立共存原則の確立、役割分担の適正化への配慮の要請」を決議した。

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