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記事2004年11月13日 1958号 (3面) 
新校長インタビュー (112) ―― 東京女学館中学校・高等学校
校長 福原 孝明氏
品性重んじ社会に貢献
国際教育に特化した国際学級


 東京女学館中学校・高等学校(東京都渋谷区)は明治二十一年、女性の地位の向上を目指し創立され、今年で百十六年目を迎える。以来、その方針は現在に至るまで脈々と受け継がれている。
 福原孝明校長は「今年本校は大きく変わりました。人としての品性を重んじながら、女子校としての特性を生かして女性のリーダーシップ教育に力を入れ、社会貢献できる女性を育成していきたいと思っています」と意欲をみせる。
 (1)他者を思いやる心の育成(2)基礎基本に根ざした個性の伸張(3)自ら問題を発見し、解決する力の育成という教育目標の具現化を推進している。
 「生徒会組織も見直し、今まで以上にすべての行事やクラブ活動で生徒会実行委員会が中心となって運営をしていくようにしました。生徒それぞれが役割をもち、自主性を身につけてほしいという願いからです」
 今年四月から国際教育に特化した「国際学級」が開設された。外国人とのコミュニケーション手段として欠かせない優れた英語運用能力を持ち、国内外で社会のために貢献できるリーダーシップを身につけた女性の育成を目指す。この学級の大きな特徴は一方的な講義スタイルの授業ではなく、生徒中心の生徒参加型の授業を取りいれていることだ。
 国際的視野育成のためにアメリカや東南アジアへの海外研修や留学生交換等を積極的に行っているが、とりわけオーストラリアへの文化研修は現地で働いている女性(日本人やオーストラリア在住の人)を招き、女性の生き方や仕事の意義などについて語ってもらうもので、「生き生きと活躍している女性の姿を見ると、生徒は感激しています」(福原校長)と、生徒にとっては忘れられない体験となっているようだ。
 高校一年の課題研究も充実している。一年間かけて生徒が興味を持ったテーマについて、教師との面接を何回も重ね、論文にまとめるものだ。これで将来の進路を決める生徒もいる。
 同校へ奉職して三十年間、福原校長は「国際社会のみならず、地域社会の担い手として人とのつながりを豊かにするような力を身につけてほしい。生徒たちには中学高校で多くの感動を体験してもらいたいと思っています。さらに学力も大いに高めて高校三年の出口をしっかりと保証してあげることが本校の使命と考えています」と語る。

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