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記事2004年10月23日 1954号 (2面) 
中央教育審議会の審議動向 私学の位置づけ役割
私大団体連がイコールフッティング検討を要望
【大学分科会】

 中央教育審議会の大学分科会(分科会長=佐々木毅・東京大学総長)は、十月十四日、都内で第四十回の会合を開き、我が国の高等教育の将来像について、日本私立大学団体連合会、公立大学協会、大南正瑛・京都橘女子学園特別顧問から、意見を聞いた。
 初めに高祖敏明・上智学院理事長、続いて香川達雄・女子栄養大学理事長が、私大団体連としての意見を述べた。
 全体として、具体的な解決策を提示しないまま、高等教育の将来を描こうとしていると指摘、また、「知識基盤社会」や「二十一世紀型市民」、「ユニバーサル・アクセス」等、一般に理解しにくい語句を明確に説明すべきだと話した。また私学が全国の高等教育の約四分の三を担っていると明言した意義は大きいと認めながら、私立大学への評価や期待の明言、私学の基盤的経費の確保実現の具体的な方向性や施策の提示、私学から常に提起しているイコール・フッティングヘの要望の吟味など、「随所に散見する、国立優遇、国立中心という発想や枠組みを乗り越え、高等教育の将来像の中に私学のあるべき位置や役割を、もっと積極的に示す必要がある」とまとめた。
 公立大学協会の前原澄子副会長(=三重県立看護大学長)は、「平成十六年度に一斉に法人化した国立大学と、設置自治体による差が大きい公立大学、経営上の問題に直面する大学の増加が懸念される私立大学、これら設置形態別のしっかりした現状分析に基づき将来像を描くべき」など、全般への指摘のほか、公立大学法人化を国立大学法人化と同様に、重要な取り組みとして位置づけるべきだ、との見解を示した。
 大南特別顧問は、大学の全体規模について、専門学校を含めた進学率七二・九%の実態は、入学機会や教育内容の多様化を示すものであり、国民の理解と支持の表れと見ることを前提とし、だとすれば設置認可の弾力化を続行することが良策との意見を述べた。そのほか人材養成については、大学と実社会の対話・協議の場が必要であると指摘。高等教育の機能分別化、高等教育の質の保証、財政支援などについても意見を述べた。

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