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記事2004年1月3日 1921号 (1面) 
平成16年度私大経常費補助三、二六二・五億円 特色ある教育研究に補助拡充
世界水準の大学づくりへ
法科大学院に支援経費
施設補助耐震、バリアフリーを充実
 文部科学省の平成十六年度予算案は昨年末の大臣折衝によって確定したが、そのうち私立大学関係予算案の詳細がこのほど明らかになった。厳しい財政事情の中で前年度比一・四%の増の三千二百六十二億五千万円となった私立大学等経常費補助金では、新たに法科大学院支援経費として二十五億円が計上されたほか、世界水準の大学づくりを目指して、特色ある教育研究を支援する特別補助等がさらに拡充され、同補助金に占める特別補助等の比率が三二・六%となった。

 平成十六年度私立大学等経常費補助金の内訳は、(1)教職員・学生数等によって配分される「一般補助」が三年連続減額の二千百九十八億四千九百万円(前年度比〇・三%減)(2)学習方法の改善や学習機会の多様化など大学等の個性化推進と生涯学習推進を目的とした「特別補助」が前年度比二・〇%増の三百四十四億一千万円(3)大学院や大学教育の高度化、また学術研究や高度情報化などを推進する「私立大学教育研究高度化推進特別補助」が前年度比六・七%増の七百十九億九千百万円。
 このうち(2)の特別補助では、大学等への社会人の受け入れ、単位互換・科目等履修生、編入学による学生受け入れで予算額が増額、残りの十六項目の補助事業は前年度と同額の予算額となった。
 (3)の私立大学教育研究高度化推進特別補助は、大きく分けて大学院高度化推進特別経費、学術研究推進特別経費、大学教育高度化推進特別経費、高度情報化推進特別経費からなっている。
 このうち大学院高度化推進特別経費では、法科大学院支援経費(二十五億円)と特定大学院支援経費(四億円)が新規事項として計上された。また大学院整備重点化経費が前年度比五・○%増の百八十二億八千百万円となった。
 学術研究推進特別経費では、ハイテク・フロンティア等経費が前年度比一二・七%と大きく伸びた半面、産学連携研究推進経費、オープン・リサーチ・センター経費、共同研究経費、リサーチ・アシスタント、ポスト・ドクター等支援経費は前年度と同額にとどまった。
 大学教育高度化推進特別経費では教育・学習方法等改善支援経費が前年度比二六・八%の大幅増額となったが、残りの大半の事業の予算は前年度と同額。
 また前年度九億円を計上した特色教育拠点大学支援経費は、平成十六年度からは新たに「特色ある大学教育支援プログラム」のための国公私立共通の予算として別途予算計上された。
 高度情報化推進特別経費では、教育学術情報ネットワーク、教育学術コンテンツ、教育研究情報利用に関する補助が増額となった。
 法科大学院に関する財政支援としては、私立大学等経常費補助金二十五億円、日本学生支援機構による奨学金事業(法科大学院分貸与人員三千五百人、総額六十八億二百万円、最高貸与月額二十万円)、国公私立を通じた法科大学院の形成支援経費十五億五百万円(新規、教育内容・方法の充実や特色ある取り組みを行う法科大学院等専門職大学院に対する国公私立を通じた支援)などが計上されており、これらが一体となって司法制度改革に資するものと思われる。
 一方、私立大学等の施設整備関係補助金では、私立大学・大学院教育研究装置施設整備費補助が前年度に比べ九・四%減額され百六十七億八千百万円となった。学校施設耐震改修事業と身体障害者や高齢者の施設利用に配慮したバリアフリー推進事業の予算が前年度に比べて増額したものの、そのほかの事業は教育用の装置に対する予算を除いて減額となった。
 私立大学等研究設備等整備費補助は前年度比一五・三%増の五十七億八千八百五十七万四千円。前年度からの増額分七億七千万円は研究設備の充実にあてられ、情報処理関係設備は前年度と同額の二十五億四千六百万円。

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