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全私学新聞

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記事2004年1月3日 1921号 (2面) 
15年度入学者私立高に明るい兆し
地域によっては厳しい状況も
全協連が総会
 全国公私立高等学校協議会私学連合会(会長=堀越克明・堀越高校長、略称=全協連)の平成十五年度総会が、昨年十二月九日、東京・市ヶ谷の私学会館で開かれ、今年度の私立高校入学状況や今後の展望、また各都道府県の公私立高等学校協議会における生徒受け入れをめぐる公私間の話し合い状況等が報告された。私立高校の入学状況では昨年度と比べ少し明るい兆しが見られた半面、公私間の協議では実際の進学率を上回る計画進学率(定員枠)の設定を求める教育委員会側と激しいやり取りを交わしている実情等が明らかになった。さらに活動が一年に一度の総会開催にとどまっていた全協連を廃止して、日本私立中学高等学校連合会(堀越克明会長)の中で公立側の“独走”にブレーキをかける対策等を進めていくことを決めた。全協連の廃止、中高連での事業実施に関しては、中高連も八日後に開いた常任理事会で了承している。今後の生徒収容対策の実施に関しては、中高連が現在進めている組織見直しの中で検討される見通し。
 私立高校生の十五年度入学状況等に関しては、中高連生徒収容対策委員会特別委員の大坪孝雄・宮崎学園高校長が『生徒収容対策に関する調査報告』の概要を報告した。同報告書は同氏が中心となりまとめられたもの。それによると十五年度の場合、高校第一学年の生徒数は前年度に比べ全体で三万七千三百六十六人減少したが、そのうち私立高校の生徒減少分は一七・八%で、それ以前の二〇から三〇%台と比べると大きな改善となった。こうしたことから私立高校の依存率は第一学年、在籍者全体とも微増となった。公立学校の統廃合に大きな抵抗がなく進んでいることなども私学への順風となっているようだ。平成二年生まれの子供から十年間は出生数が約百二十万人で低位ながら安定していること、昭和四十年の生徒急増期に大量に採用された教員が昨年退職年齢となり、人件費の軽減がしやすくなったことなどから今後、十年間程度は見通しを立てた経営ができる状況となった。一方、各都道府県の公私協の協議状況に関しては、▽公私協の議題また私学側に相談なく中高一貫校の複数設置の計画が進められている▽公立高校の計画進学率を高くすべきだとの“圧力”があり、私学で大きく定員割れをする学校も出ている▽統廃合が進んでいない▽統廃合して新たな施設を建て魅力を持った学校にしているといった報告が聞かれた。県によって公私間の話し合いの状況は様々で個別には私学に厳しい状況も少なくないようだ。全協連は各都道府県の公私立高等学校協議会の私学側委員が集まって昭和五十六年二月に発足した組織。このほか総会では公私協の公開状況や公立高校の平成十六年度入試日程、私立中学高校が取り組んでいる生徒収容対策上の改革と今後の動向などが報告された。

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