明海大学歯学部（安井利一・歯学部長、埼玉県坂戸市）は平成十五年十一月、歯科法医学センター（田島義文センター長）を新設した。所轄警察署などの要請で、歯の所見から遺体の身元を確認するなど、歯科法医学を通じた社会貢献を目指す。国内では五校目の設置となり、科学捜査には欠かせない重要な施設に、関係者は大きな期待を寄せている。
　同大学は埼玉県内で唯一の歯学部設置大学。近年では犯罪が凶悪化・多様化する傾向にあり、増加する事件の解決に貢献する意義は大きいと判断し、開設を決めた。今後は警察歯科医会や法医学歯科研究会などと連携し活動していく。
　関係機関からの要請に基づく協力としては▽平常時（公開捜査による身元確認）捜査への資料提供▽有事時（大規模災害・事故発生時など）の身元確認作業▽諸外国との対応などが想定される。後継者育成の立場から、一般歯科医師を対象とした講習会も予定している。