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記事2004年1月23日 1922号 (1面) 
中央教育審議会 栄養教諭創設を答申
大学薬学教育課程の6年化も提言
 中央教育審議会(会長=鳥居泰彦・私立学校振興・共済事業団理事長)は、一月十六日、東京・千代田区内のホテルで第三十六回総会を開き、食の指導体制の整備に関する答申と、薬学教育の改善・充実に関する中間報告をまとめた。答申と中間報告は一月二十日、河村建夫文部科学大臣に提出された。今回まとめられた食の指導体制の整備に関する答申は、子供をめぐる食環境が悪化(朝食欠食、孤食、肥満傾向、痩身(そうしん)願望、食物アレルギー等)、望ましい食習慣の形成が社会的な重要課題となってきていることから、新たに「栄養教諭」を創設し、従来の学校給食の管理に加えて、食に関するカウンセラーとして児童生徒の個別的な相談指導に当たるほか、教科・特別活動等における教育指導、学校内外での食のコーディネーターとして教育指導の連携・調整役等を行う。今後、現在開会中の通常国会に学校教育法等の一部改正案が提出され、免許制度等が整備される。また現職の学校栄養職員が栄養教諭になる道も開かれる。栄養教諭に関しては総会で「答申に予算削減の視点がない」「個々の自治体の判断を拘束するようなことは止めてほしい」といった意見も聞かれた。
 一方、大学の薬学教育に関する中間報告は、薬剤師の実務実習の充実等が求められていることや、薬剤師国家試験受験資格の見直しを進めている厚生労働省の検討会が六年間の学部教育を基本とする提言をまとめていることなどを受けて、学部段階の修業年限を四年から六年に延長し、同時に研究者をはじめ多様な分野に進む人材の育成のために現行の四年制の学部・学科の存置も認めるというもの。
 四年制の学部・学科を卒業し、薬学関係の修士課程を卒業した者が薬剤師を目指す場合には、一定の条件下で受験資格を付与すべきとしており、この点については、文部科学省に厚生労働省との協議を求めている。
 このほか六年制学部を基礎とする大学院は、標準履修年限四年の博士課程で、学位は「博士(薬学)」。四年制学部を基礎とする大学院の学位は、「修士(薬科学)」「博士(薬科学)」等。六年制学部の実務実習期間は現行の「二〜四週間」から「二十四週間程度」となる。

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