文部科学省は八月二十九日、平成十六年度概算要求を財務省に提出した。このうち「私立大学等経常費補助金」については、前年度と比べ百五十億円（四・七％）増の三千三百六十七億五千万円を、また三位一体の改革で削減が懸念された「私立高等学校等経常費助成費補助金」については、前年度比八十億円（八・〇％）増の千八十一億五千万円を要求した。私学助成関係の概算要求総額は前年度比二百六十三億五千万円（五・九％）増の四千七百五十四億七千万円となった。

　私立大学等経常費補助金の要求額三千三百六十七億五千万円の内訳は、「一般補助」が二千二百五億四千九百万円で前年度と同額、日本私立学校振興・共済事業団が配分する「特別補助」が前年度比三十億円（八・九％）増の三百六十七億二千万円、文部科学省が直接配分する「私立大学教育研究高度化推進特別補助」は前年度比百二十億円（一七・八％）増の七百九十四億八千百万円。私立大学教育研究高度化推進特別補助には新たに法科大学院支援経費（五十億円）が盛り込まれた。
　法科大学院にはこの補助金のほか、日本学生支援機構による奨学金事業、国公私を通じた法科大学院の形成支援の支援策が要求されており、同機構の奨学金では、法科大学院分として貸与人員四千八百人、事業費総額八十五億円（無利子二十五億円、有利子六十億円）を計画している。有利子の最大貸与月額は二十万円（年間で二百四十万円）とする計画。
　私立高等学校等経常費助成費補助金の要求額千八十一億五千万円の内訳は、一般補助が前年度比五十億一千五百万円（五・五％）増の九百五十五億四千二百万円、特別補助が前年度比二十九億八千五百万円（三一・〇％）増の百二十六億八百万円。特別補助では、外国人教師の採用や生徒指導の充実、幼稚園における預かり保育の充実のほか、新たに休業日預かり保育推進事業、ＩＴを活用した子育て支援事業推進補助を要求している。このほか主な私学関係予算の要求額は次の通り。
　▽私立大学等教育研究装置・施設整備費補助＝前年度比七億七千二百万円（四・二％）増の百九十三億三百万円▽私立高等学校等施設整備費補助＝前年度比八千三百万円（四・一％）増の二十億八千九百万円▽私立大学等研究設備等整備費補助＝前年度比十六億五百万円（三二・〇％）増の六十六億二千三百五十七万四千円▽私立高等学校等ＩＴ教育設備整備推進事業＝前年度比七億九千五百万円（七四・〇％）増の十八億七千万円▽私立学校施設高度化推進事業費補助＝前年度比一億三百四十六万五千円（一七・六％）増の六億九千二百四十七万三千円▽日本私立学校振興・共済事業団貸付事業＝財政投融資要求額は前年度比五十億円(二二・七％)減の百七十億円。貸付計画額は前年度比百七十億円（二二・一％）減の六百億円。