文部科学省はこのほど平成十六年度の税制改正要望を財務省に提出した。私立学校関係では、昨年度に引き続き(1)学校法人に係る寄附税制の拡充（所得税、法人税）(2)個人立専修学校の相続税に係る非課税措置の創設（相続税）などを要望している。
　このうち学校法人に係る寄附税制の拡充では、▽企業の寄附金の損金参入に係る限度額を撤廃して寄附金の全額を損金参入可能とする。▽個人寄付者の所得控除限度額の拡大及び控除除外額の廃止を要望している。具体的には現行の所得の二五％から五〇％に所得控除限度額を拡大する。また一万円の控除除外額を廃止して、小額の寄付者にも対応して寄附者のすそ野を広げる。これらは、寄附金を通じて学校法人への外部資金の導入を促進して、教育・研究活動の活性化と経営基盤の強化を図るもの。
　また個人立専修学校の相続税に係る非課税措置の創設は、個人立の専修学校を引き続き相続人が運営する場合は、一定の条件のもと、当該教育用財産を非課税とするもの。これは個人立の専修学校の継続的な運営を支援し、実践的な職業教育や生涯学習の振興を図るもの。
　このほか公立大学法人（地方独立行政法人）制度の創設に伴う所要の措置（寄附税制の維持等、新規）、ＰＦＩ事業における資産課税に係る非課税措置の創設（不動産取得税、固定資産税、都市計画税、登録免許税、新規）、研究交流促進税制の継続（不動産取得税、固定資産税、継続）などを要望している。