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記事2003年9月23日 1904号 (2面) 
指導力不足の教員289人
増加傾向、79人に研修等の措置
  文部科学省は九月十二日、指導力不足の教員等の人事管理に関する四十七都道府県・十二指定都市教育委員会の取り組み状況を公表した。今年四月現在で調査したもの。
 調査結果によると、すでに人事管理システムを運用している教育委員会は三十三(平成十五年四月一日までに運用が二十三、十五年四月から九月一日の間に運用が十)あり、平成十五年度中に実施する予定の教育委員会も二十六に上った。
 このうち十四年度に人事管理システムを運用している二十三の教育委員会では、二百八十九人の教員が指導力不足と認定され、そのうち七十九人が今年度から新たな研修等の措置を受けた。指導力不足と認定された教員数は十二年度から毎年、前年度比約二倍のペースで増えている。
 指導力不足教員(認定を行った者に加え、認定等を行ってはいないが、指導力不足を理由として研修等の人事上の措置を行った者を含む)に対して、指導力回復のため研修を行った人数(学校で通常の授業・校務を行っている者を除く)は、十四年度で二百二十六人、そのうち研修後に通常の授業等に復帰した教員は四割強の九十四人に過ぎなかった。
 また指導力不足を理由に自ら地方公務員を依願退職した人数は十四年度で五十六人、さらに指導力不足を理由に分限処分(免職、降任、休職)を受けた教員は十四年度で十九人を数えた。
 いわゆる指導力不足教員について定義を定めている教育委員会は四十七、今後定めるが十二。また指導力不足教員の認定で判定委員会を設けているのが二十七、今後設ける予定が三十二。判定委員会の構成員に医師を加えているのが二十二、弁護士二十、保護者七、教職員四といった状況。
 一方、校長や教頭等を対象に十九の教育委員会では「希望降任制度」が実施されており、十四年度では「校長から教諭に」二人、「教頭から教諭に」四十四人、「その他」三人、の合わせて四十九人が降格を申し出ていた。

指導内容に誤り多い教員

 そのほか十四年度に公立学校の教諭等として採用されながら、一年間の条件付き採用期間後に正式採用とならなかった教諭等は百二人を数えた。これは採用総数の〇・六%。百二人の内訳は、不採用四人、依願退職九十四人、死亡二人、懲戒免職二人。指導力不足と認定された教員の例としては▽生徒が心配するほど指導内容に誤りが多い。また成績処理に間違いが繰り返しある(中学校教諭)▽他人の意見を聞こうとせず、自分の非を認めない。指摘されると逆に攻撃的になる(小学校教諭)▽授業中、生徒の方を見ず、黒板の方を向いて一方的に授業する、など。
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