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記事2003年9月13日 1903号 (2面) 
学生の不安除き支援 
日短協就職担当者研修会
キャリアコンサルタント必要
フリーター増加指摘
  日本私立短期大学協会(川並弘昭会長=聖徳大学短期大学部理事長・学長)の平成十五年度私立短大就職担当者研修会は九月三日から三日間、東京・市ヶ谷の私学会館で開かれた。今年は初めて東京で開催し、例年を上回る約二百八十人が参加した。同研修会は学生たちが自らの不安を取り除き、意を決して社会に出られるよう、短大の就職担当者が意見を交換し、明日へ備えることが目的。昭和三十年代に始まり、全国各地で開いている。


 開会では、就職問題委員会の伊藤唯真委員長(京都文教短期大学長)が「グループ討議や講演会で出た問題を自分の大学へ持ち帰り、検討して生かしてほしい。短大は就職率が少し低下していると言われる問題を、吹き飛ばしてもらいたい」とあいさつした。
 同委員会については「社会変動と学生の変化への対応、社会状況の変化に伴う雇用形態などの把握をテーマに研究している」と活動を報告し、フリーターが増加している問題などを指摘した。
 続いて、厚生労働省職業能力開発局キャリア形成支援室の半田有通室長が「キャリア・コンサルティングの必要性」について講演した。
 「キャリア・コンサルティング」とは本人の適性や経験に応じて今後のキャリア形成の方向などを提示する支援のことで、「キャリア・コンサルタント」は相談に応じて指導や助言をする人を指す。
 同研修会では、短大の就職相談業務が専門職として大学内外から認知される必要があると考え、職業指導のプロフェッショナルであるキャリア・コンサルティングについて学ぼうと、半田氏を招いた。
 半田氏は厳しい雇用情勢について「求人があっても、充足できない。仕事を求める人には、したい仕事がない。需給のミスマッチを改善することが就職につながる」と分析。職業の情報を提供し、求職者の能力や興味を確認するキャリア・コンサルタントの必要性を説明した。
 また、キャリア・コンサルタントは国家資格ではないが、国の指定する能力評価試験や養成講座を受ける場合には、雇用保険適用事業として助成金が出ると紹介し「(政府は)キャリア・コンサルタント五万人養成計画を打ち出している。早い段階からのキャリア教育が重要なので、短大にもキャリア・コンサルティング体制を整備してもらいたい」と求めた。
 このほか、全国保育士養成協議会の大嶋恭二事務局長と、和田明人専門委員が「保育士養成(校)に求められる新たな役割」について講演した。グループ討議や企業の人事担当者による短大への提言などもあり、参加者たちは学生を取り巻く問題について多方面から検討し、議論を深めた。
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