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記事2003年8月3日 1900号 (2面) 
成果あげたグループ討議
10年経験者研修 
日私教研 80人参加し初の開催
  財団法人日本私学教育研究所(堀越克明理事長、杉山克己所長)は、七月二十四日から三日間、東京・八王子市の同研究所で初の「私立学校十年経験者研修会」を開催した。この研修会は、中堅教員の資質向上や学校を支える中核的な教員としての意識向上等を目指したもの。生徒指導や教科別学習指導、学校経営・危機管理、企業から学ぶなどの領域等で中央教育審議会委員の田村哲夫・渋谷教育学園理事長、同研究所の研究員や企業人の講演を聞いたほか、研修テーマに沿って十数人のグループに分かれて意見や教育実践を交換、企業から学ぶ研修では保護者への対応等を想定してあいさつ、電話対応、ロールプレイング等も行った。
 十年経験者研修は公立学校での実施に合わせて文部科学省の予算を得て行われたもので、私学らしい研修を目指している。同研修は全員が同研究所に泊まり込んでの研修ということもあり、グループ討議に大きなウエートを置いたのが特徴。研修期間中、グループ討議の回数は五回、グループ討議の総時間数は十一時間を上回った。参加した八十人の教員にとっては、こうした他校の教員との交流が、今後の教育実践をつくるうえで大きな財産となったようで、最終日の総合討議では、「研修中は時間の余裕がなかったが、情報交換が財産となった。もう一回研修が必要だ」「やっと乗ってきたところで研修が終わってしまった。残念だ」といった報告が目立った。また私立学校の教員ということで生徒指導や学習指導にとどまらず、学校の魅力づくりや生徒募集への関心も高く、多くの教員が、学校の魅力づくりには「目の前の生徒を地道に育てていくしかない。特に授業が大切で、本当に心豊かに世の中に役立つ勉強こそが重要だ」「いかに生徒一人ひとりの進路実現ができるかが問題で、生徒や親の反響が大切。王道はない」等の意見が複数の教員から聞かれた。しかし日ごろの学校生活では教員たちは多くの課題と直面していた。多くの教員は携帯電話の取り扱いに苦慮しているようで、「カンニングに利用された」との報告も聞かれた。十年経験者研修は八月中に小学校教員向け研修会と中高教員向けの二回目が開かれる。

10年経験者研修の意義を講演する田村氏

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