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記事2003年8月13日 1901号 (9面) 
新校長インタビュー (82) ―― 東洋女子高等学校
校長 村上 精一氏
教育目標を数値化
教務管理システムで学力、個性伸長


  東洋女子高等学校(東京都文京区)の新校長に東洋女子学園理事長の村上精一氏が、四月就任した。早々、五月に同校の組織を含めて、教育内容の再建計画にかかった。
 「三年間で生徒を一人前に育てあげ、私学としての特徴を出していく」(村上校長)。
 そのために、掲げた教育目標は生徒一人ひとりに着目してその個性を伸ばし(1)生徒の学力をつけること(2)生徒指導、進路指導をそれぞれ充実させること――だ。より具体的な目標にするために、両目標の数値化を試みた。
 「数値化したのは、生徒の将来を見通して、一人ひとりの学力を少しでも上げることが必要だという願いからです」
 この目標を達成するために、村上校長は教員全員と面接する機会をもった。きちっとした報告書を出させることも決めた。「報告書を作成することで物事を整理し、この積み上げで初めて本質が分かるからだ」。研修会参加、中学校訪問も多くすることで、情報交換を行う機会をもつように心掛けさせている。
 また生徒の学力と個性を伸ばすために、「教務管理システム」を導入した。このシステムには成績、日ごろの生活態度、教員と生徒・保護者との面談の内容、部活動の様子などを書き込めるもので、生徒の将来の適性を考える上で、生徒一人ひとりのカルテの役目を果たしている。これはデータを一カ所に管理できるので、すべての教師が生徒一人ひとりを把握できる点が非常に便利だ。分かる授業、楽しい授業を実践するために、全教科シラバスを見直した。「まず、作ることから問題点を探った」。
 「最終的には、教員の意識が変わるかどうかです。日本を背負っていく生徒を教育するためには、どうしたらいいのか、そのためには学校としてやるべきことは何かをしっかり考えることです」。毎日、全校生徒が交代で週番活動を行い、朝のあいさつ、清掃点検、ごみの分別、服装のチェックを始めた。ここからスタートさせようというのだ。生徒には、「毎日少しずつでもいいから、集中して勉強してほしい」と励ます村上校長。
 大手電機メーカーで二十五年間開発事業に携わってきた経験が生かされ始めている。教員との約束は「最低限決めたことはやろう」だ。
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