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記事2003年7月23日 1899号 (2面) 
当面の課題と展望研究協議 全国私立看護高校協会
見えてきた大学編入
5年一貫養成課程 修了者に
大学等編入後 看護教員等の資格取得に道
  全国私立看護高等学校協会(会長=佐藤仁作・仁愛高校長)は、六月二十三日、東京・市ヶ谷の私学会館で総会を開き、平成十五年度の事業計画等を決めたほか、大橋泰久・国立教育政策研究所教育課程調査官を指導助言役に迎えて、五年一貫の看護師養成課程(高校三年+専攻科二年)や従来からの准看護師養成課程を取り巻く課題、今後の展望等について研究協議を行った。

 同協会が実現を目指す「五年一貫課程修了後の大学への編入学」に関しては、現在、文部科学省内で検討が進められており、見通しは明るく、五年一貫教育の第一回生が修了するまでに実現する可能性のあることが明らかになった。高校専攻科修了者の大学等への編入学は学校教育法改正である。また看護高校と大学との教育連携も研究開発学校で研究が進んでおり、放送大学の活用も検討されている。
 五年一貫課程修了者に関しては、まだ卒業者を出していないが、大学に編入してさらに保健師・助産師の資格を取得したいとの希望があるほか、看護高校は看護教員の確保に苦慮していることから、五年一貫課程修了者が大学に編入学して教員資格を取得し看護教員になる道を開いてほしいとの期待がある。
 現行制度の下では、大学は高校専攻科の単位を大学の単位として認定することはできるが、高校専攻科修了者からの編入学には大学の修業年限を短縮することができず、入学者と同じ四年間の在籍が必要となり、編入後二年間で卒業することが認められていない。
 高校の看護教員不足に関して看護高校には、特別免許状制度(大学等で教職課程を履修していなくとも優れた知識・技術等を有する社会人等に授与される免許状)への期待があるが、制度活用の環境整備が遅れている。そのため同協会でも今後、特別免許状の実施・拡充を要請していく方針。
 一方、准看護師課程(三年)に関しては、五年一貫課程への編入学実現を要望する声があるが、実施には法律等の改正が必要のため、実現には時間がかかる状況だ。
 総会で決まった平成十五年度の事業計画はおおむね前年度を踏襲した内容で、高校看護教育の振興発展、卒業後の進路対策、私立看護高校への助成充実対策などを進めていく。
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