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全私学新聞

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記事2003年7月23日 1899号 (2面) 
全私定協総会・研究協議会 通信制定時制 公設民営化に不安
「修学奨励費」の充実を要請
  全国私立高等学校定時制連絡協議会(会長=吉澄哲恵・綾羽育英会常務理事)は、七月一日、東京・市ヶ谷の私学会館で総会と研究協議会を開いた。総会では十五年度の事業計画と活動方針等を決めたが、活動目標としては、(1)時代に見合う定時制教育のあり方を研究する(2)二十一世紀を志向する学習指導要領への対応と研究(3)公私立学納金格差是正のための運動の継続など七項目を定め、その実現に向け努力していくことを決めた。
 また総会に続く研究協議会では、青少年のキャリア形成支援に関して、厚生労働省の担当官を講師に講話が予定されていたが、公務のため急遽中止となり、定時制高校を取り巻く最近の情勢について来賓として出席の公立の定時制高校関係者を含め意見交換を行った。
 この中で、先の政府の「骨太の方針第三弾」に、高校中退者を含めた社会人の再教育など特別なニーズに応える観点から、通信制・定時制等の高校の公設民営化について検討し平成十五年度中に結論を得ることが盛り込まれたことが取り上げられ、私立定時制高校関係者からは、先行き不安の声が聞かれた。一部の広域通信制高校をめぐっては株式会社等が経営する(学習)サポート校と手を結んでの営利優先などの問題が教育関係者から指摘されている。
 また定時制高校生に対する授業料軽減策である「修学奨励費」が取り上げられ、これまで申請すれば即決定だったものが、査定が行われるようになったのは、何か方針に変更があったのかといった質問が出されたが、文部科学省の担当官は予算の厳しさなどを説明した。
 これに対して働きながら学校に通う私立定時制高校生にとっては、ほぼ授業料額に匹敵する貴重な支援策となっていること、受けられない生徒も少なくないことへの理解を要請した。さらにある高校からは授業料の滞納者が多くなってきており、卒業式までに払い込めず、三カ月遅れで卒業証書を手渡したといった実情も報告された。
 修学奨励費は貸付金だが、一定の条件では返還が免除される。
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