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記事2003年7月23日 1899号 (7面) 
新校長インタビュー (81) ―― 中村中学・高等学校
校長 小林 和夫氏
「おはよう」がこだまする学校
わがままおさえ、迷惑かけない


  中村中学・高等学校(東京都江東区)の小林和夫校長は四月七日の始業式で、全校生徒に向かって「あなたの夢を聞かせてください」と呼びかけるとともに、新校長として、こういう学校にしたいという夢を三つ挙げた。
一、「おはよう」がこだまする学校
一、遅刻のない学校
一、いつも、トイレがピッカピッカの学校
 「おはよう」の一言で、一日中、元気になる体験をしたことがある。この一言が学校中にこだまする学校を目ざそうというのだ。一日二十四時間の長さは人に共通に与えられている。「時間を上手に使ってほしい」と小林校長。
 「トイレがいつもピッカピッカになっていれば、掃除をしてくれている人のことを自然に思うだろう。見えないものを見る努力は大切だ」
 同校では、「1.わがままをおさえる=Self−control 2.ひとに迷惑をかけない=Self−government 3.ひとに親切をつくす=Social Service」という三つのSを掲げている。このモットーはすべての教室の正面に掲げられている。
 創立九十周年を記念し、平成十一年九月、清澄の閑静な地に新校舎を完成させたが、まさに新時代に夢をかけたキャンパスとなった。この新校舎には何よりも生徒に自分の居場所を見つけてほしいという思いが込められている。清澄庭園の緑が広がり、都心にあって優れた教育環境を誇っている。
 中学高校を通して、個性の完成を目ざして一貫教育を行っている。中学では全員がコンピュータと英語を徹底的に学び、二十一世紀の社会を担う準備に余念がない。
 高校では「特別進学」「大学進学」および全員が一年間留学する「国際」の三つのコースを設置している。
 小林校長は始業式で、世界に目を向けようと生徒たちに呼びかけた。「家族を養うために町の交差点で花を売る少女、家族が崩壊したので道端で寝起きする少年、町に進軍してきた戦車めがけて石を投げる子」がいることを挙げ、「聞けば、この子らは皆、学校へ行きたいと言う。わたしたちは、学校で学べるよろこびをむだにしてはいけない」と諭した。
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