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記事2003年6月23日 1893号 (2面) 
全専各連総会 7月11日 職業教育の日制定
職業教育を位置付け
専修学校等の活用 社会に強くアピールへ
  全国専修学校各種学校総合連合会(鎌谷秀男会長)は六月十一日、東京・市ヶ谷の私学会館で第四十九回定例総会等を開き、「職業教育をキーワードとした今後の専修学校各種学校のあり方について」と題する“宣言”を公表したほか、新たに毎年七月十一日を「職業教育の日」として定め、職業教育振興の重要性を社会に強くアピールしていくことを決めた。フリーターが急増する中で若年者に対する職業観の育成、職業意識の涵養(かんよう)、専修学校各種学校を活用した社会人に対するキャリアアップ支援充実等の実現を目指していく。
 このうち「職業教育の日」は専修学校制度が国会で誕生した昭和五十年の七月十一日を記念したもの。本格的活動は十六年度からの予定で、今年度は周知期間になりそうだ。そのため中央で大きな“花火”を打ち上げるのではなく、都道府県ごとに「職業教育の日」の周知をはかる予定。
 “宣言”については今後、文言が多少修正される予定だが、その中では職業教育を教育制度の中にしっかりと位置づけること、職業教育は専修学校各種学校に任せてほしいことなどを強調したのが特徴。その中でフリーター急増に関しては、「現在、個人の意識として働くことに対する動機が希薄で、職業人として社会の構成員となることの意識に欠けるきらいがある。つまり自分が就きたいと夢想する職業を模索するばかりで、現実から逃避し、結果的に社会貢献にいたらない。これは学校教育の中で、職業に対する意識や自分のキャリアをいかに積んでいくかについて深く考える機会がなかったことがその一因ではなかろうか」と指摘している。政府もフリーターの急増を憂慮しており、このほど「若者自立・挑戦プラン」を策定、今後三年間で若者の働く意欲を喚起しつつ、すべてのやる気のある若者たちの職業的自立を促進していく方針で、文部科学省でも「キャリア教育総合計画」を策定、フリーターの再教育、デュアルシステム(働きながら学び、学びながら働く)の構築等を進めていく。
 鎌谷会長は、この“宣言”について、「我々の(基本的)理念としたい。いろいろな場面でこれを出してアピールしていきたいし、旗印にしたい」と語っており、職業教育の振興に強い意気込みを見せた。職業教育に関しては、中央教育審議会の教育基本法等の見直しに関する答申でもその重要性が指摘されており、教育制度の中でこれまで以上にしっかりと位置づけられる見通し。この日、総会に駆けつけた専修学校等振興議員連盟(会長=森喜朗・前首相)の麻生太郎、町村信孝、斉藤斗志二、臼井日出男各副会長は専修学校等の果たすべき役割の大きさなどを強調した。
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