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記事2003年6月23日 1893号 (7面)
新校長インタビュー (79) ―― 学習院女子中等科・女子高等科
科長 稲田 和子氏
学習院女子中等科・女子高等科(東京都新宿区)の稲田和子科長は「時代にふさわしい知性と品性を身につけ、どのような道に進んでも自分の目標が達成できる基礎学力を備えた女性を育成したい」と科長としての抱負を述べる。 同科の教育理念は、明治二十年に皇后陛下(昭憲皇太后)から賜った御歌「金剛石・水は器」に表れている。この御歌は現在でも入学式で歌い継がれている。 「『金剛石』の御歌にあるように、ダイヤモンドも磨かなければ光り輝くことはできないのと同じように、人も学んではじめて立派な人格が備わるのです。生徒自らがダイヤモンドの原石であることを自覚し、自分を甘やかすことなく、育て鍛えてほしい、磨き上げてほしいと思います」 「水は器」では友人の重要性がうたわれている。 「自分より優るよい友人を選び、互いに励ましあい、学びの道にまい進してほしいと思います」 同科の学習指導では、生徒が自ら学び、考えることを重視している。カリキュラムは知・徳・体のバランスが取れるように編成されている。中でも“ことばの教育”を伝統的に重視している。同校で独自に編集した教科書『表現』を用いて、他人の意見を正確に把握する方法、論理的に自分の意見を述べる方法などを身につけさせる。同様の教科書『古文の基礎』では、中等科一年から無理なく古典に親しむことができるように、内容にさまざまな工夫が施されている。 書く能力の育成を目指した学習を重視している国語の作文指導をはじめとして、全教科においてレポートを提出する機会を多く設けている。定期試験も論述形式の設問を多くしている。高等科三年では各自の進路に関連したテーマで、本格的な卒業レポートを作成することになっている。 同科の習熟度別授業の歴史は古い。高等科では、三十年前から行われている。特に英語は六年間一貫して分割少人数授業を行い、コミュニケーション能力の育成に大きな成果をあげている。 「学習院女子部は七年後、百二十五周年を迎えます。新しい展開に向けて、さまざまな面での検討が進められています」 |
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