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記事2003年6月13日 1892号 (1面) 
私大連盟国際交流推進協議会開く 留学生への経済支援
マレイシア日本技術大 設立
在留資格の規制緩和を要望
  日本私立大学連盟(安西祐一郎会長=慶應義塾大学長)の国際交流委員会は五月二十七日、東京・湯島の東京ガーデンパレスで平成十五年度第一回国際交流推進協議会を開催、加盟大学から約七十校の国際交流担当者らが出席、駐日大使館員も参加し情報交換を行った。
 
 協議会は国際交流における私立大学の果たすべき役割を考ようと昨年秋発足したもので、前回協議会で出された問題について委員会で具体的に検討した結果、留学生への経済支援制度の充実と新たな援助方策の構築および在留資格の規制緩和を求める要望書を国に提出することになった、との報告がなされた。また、日本とマレーシアが今年開学を目指し準備を進めている「マレイシア日本技術大学(MJTU)」、中央教育審議会留学生部会の審議動向についても説明があった。
 前回の協議会では、私立大学の留学生を取り巻く環境改善に向けた取り組みが急務であるとし、学習奨励費など経済支援制度の充実、卒業後の支援、学位制度の国際基準等の制定などが今後の課題として出された。
 これをうけ委員会で具体的な検討を進め、国に対する具体的要望として平成十五年度はまず、@国費留学生と私費留学生に対する奨学金格差の是正A授業料減免制度の予算規模の拡充B学習奨励費支給対象者拡大のための抜本的制度見直しC留学生受け入れ等への補助金配分基準の見直しD在留資格の規制緩和、の実現を要望していく。
 平成十五年九月の開校を目指し準備を進めている「マレイシア日本技術大学(MJTU)」は、平成十三年の日マ首脳会議でマハティール首相が小泉首相に提案、合意したもので、国際的に通用する技術者育成を目標とし、日本の先進的な科学技術をマレーシアの学生に、マレーシア国内で低コストで学ばせるもの。キャンパスなどの設置はマレーシアが行い、日本からは学術面でのコンテンツを提供。これについて上村司・外務省アジア大洋州局南東アジア第二課長は、「日本とアジアの関係を考えたとき、これまでの支援・協力がはたして適切だったか反省する時期にきており、今後ますます発展するアジアに対しこれからはソフト面で支援すべきだ。今後どういう構想で進めていくのか具体的に説明し、学術面での協力をお願いしたい」とし、理解と協力を求めた。
 中教審留学生部会の審議動向について、荻野アンナ専門委員(慶應義塾大学教授)は、「現在、今後の新たな留学生政策について審議中だが、実際に留学している学生たちの声と審議会の落差に愕然(がくぜん)とした。特に奨学金・宿舎問題等については、制度の見直し、新たな基準づくりが必要で、そのことを強く提言している」と述べた。
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