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記事2003年6月13日 1892号 (7面) 
新校長インタビュー (78) ―― 鷗友学園女子中学校・高等学校
校長 清水 哲雄氏
学力向上の新システム
知性・感性・社会性など総合力


  鷗友学園女子中学高等学校(東京都世田谷区)は伊藤進氏が校長に就任した一九八六年を機に教育内容の全面的な見直しを行った。この時「鷗友の理念を具現化するには中高一貫教育を目指すべきだ」と清水哲雄教諭(現校長)は痛感したと言う。
 「鷗友学園の目指す教育を理解してほしいとの思いで、学校説明会などでは、大学受験のための勉強だけではなく、社会性も育てなければならないと言い続けてきました」
 しっかりとした豊かな種を大きく育て、少し芽を出したところで送り出し、社会の中で各自の花を咲かせてほしいという方針が保護者にも理解されてきた。中高時代に知性と感性、精神性と身体性、さらに社会性をも含めた総合的な力を身につけるという方針だ。
 清水校長は「学校改革は自己改革」と述懐する。「教員一人ひとりが、日常に流されず、教育に対する意識を高めていくことが大切です」
 「鷗友の校訓は『慈愛と誠実と創造』です。創造を培うためには自由な発想と、さらにそれを肯定する環境が必要です。基本的に認められている本校の生徒は伸び伸びしています」
 現在のテーマは、小学校(入り口)の学力が低下している一方で、大学(出口)へのハードルが高くなった、この課題を克服するための新たな教育システムの導入である。
 同校では、@今年度から高校二、三年の希望者を対象に、放課後の課外講習を学校として開始した。年間を三クールに分けて実施し、生徒はこれを希望に応じて受講している。A来年度から中学一年を対象に募集人員を変えないで、現在の六クラスを八クラスにすることにした。つまり、すべての教科での少人数制だ。
 校長就任式では清水校長は、通奏低音のように脈々と流れている建学の精神についてふれ、この低音部の上によい曲を作りたいと気持ちを伝えた。「変容すれども変化せず。表面的には変わってきているように見えても、大事な精神は変わらない」と語った。
 「生徒からエネルギーをもらっているからこそ、この仕事を続けることができています。出発点は生徒のためにやれるかどうだと思います」
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