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記事2003年5月23日 1889号 (1面) 
私学助成、一般財源化で緊急会議
中高連父母の会
父母負担公私格差が拡大 私学教育の質低下指摘
関係方面へ強く要請
  四月九日の経済財政諮問会議(議長=小泉純一郎首相)で、片山虎之助総務大臣から国の私立高等学校等への私学助成を一般財源化するなど見直すべきだとの提案がなされ、同会議で引き続き検討していくことになったことを受けて、日本私立中学高等学校連合会(会長=堀越克明・堀越高校長)と全国私学父母の会(池田隆会長)は五月十五日、東京・新宿区内のホテルで緊急協会長会議、緊急都道府県会長会を合同開催した。
 私学関係者、父母とも国庫補助金が廃止され、私学助成が一般財源化(全額地方交付税措置となる)されれば、都道府県の私学助成は私立学校振興助成法が制定される以前の状況、つまり都道府県間の格差が大きくなり、また地方財政が逼(ひつ)迫(ぱく)する中で明確な財政的裏づけのない助成事業の拡充は難しく、大幅縮減も十分考えられ、教育内容の質の低下、保護者の教育費負担の公私間格差拡大を招来する恐れがある点を強調。地元国会議員や知事等に国庫補助の堅持を強く要望していくことを確認した。両団体ともこれまでに関係方面に要望を続けてきたが、予断を許さない情勢で五月いっぱいがヤマ場だという。
 こうした国庫補助の廃止の動きは、地方分権推進の一環として地方交付税の見直し、国から地方への税源移譲とともに三位一体の改革として行われているもので、義務教育費国庫負担金に関してはすでに一部廃止、一般財源化が決まっている。
 私学関係者の間にも地方分権については動かすことのできない大きな社会の流れとの認識はあるが、「何もかも急にご破算にすべきではない」「地方分権を視野において公私の在り方、経費負担についてきちんと検討していくべきだ」「民主主義が育っているのか。改革の名のもとに急いで無理をしているのではないか」「私学の置かれている立場をもっとマスコミにアピールしてほしい」などの意見が聞かれた。
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