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記事2003年5月23日 1889号 (2面) 
今春高卒者 就職率が86・7%に
前年同月比0.4ポイントの上昇
  今年三月の高校卒業者の就職率は、八六・七%となり、過去最低の昨年同期に比べて〇・四ポイントとわずかながら上向きに転じたことが五月九日、文部科学省がまとめた調査結果で明らかになった。就職率が微増したことについて同省初等中等教育局児童生徒課では「依然厳しいことに変わりはないが、就職指導に関係する人たちの一生懸命の努力が少し成果をあげたのではないか」と話している。
 この調査は今春、高校を卒業した生徒全員を調べたもの。調査結果によると、就職率の上昇は女子生徒の復調の影響だが、なお男子生徒の就職率が八九・一%なのに対して、女子は八三・七%と苦戦が続いており、また男女を合わせて、就職を希望しながら望みのかなわなかった生徒は約三万二千人にも上っていた。このため同省では引き続き各教育委員会等に対して都道府県労働局と連携しての求人開拓や未就職卒業者への配慮を要請、また経済団体等にも協力を要請している。
 就職状況を高校の学科別にみると、「工業」がトップで九三・一%、次いで「商業」「水産」が八九・三%、「看護」が八八・九%、「農業」が八八・六%、「総合学科」が八八・三%、「家庭」が八四・九%などと続いていた。
 「普通」は八一・一%で最も低い結果だった。
 また就職状況を都道府県別にみると、就職率上位五県は、(1)富山県(九五・六%)(2)山口県(九五・〇%)(3)福井県(九四・八%)(4)長野県(九四・四%)(5)岐阜県(九四・三%)だった。反対に下位五県は、(1)沖縄県(六〇・八%)(2)高知県(七六・五%)(3)大阪府(七七・二%)(4)北海道(七八・二%)(5)和歌山県(八〇・〇%)。
 前年同期と比べて就職率が上昇していた県は、二十八都県で、上昇率が最も高かったのは宮城県の四・三ポイント、最も落ち込んでいたのは埼玉県で三・九ポイントのマイナス。
 高校生のうち私立高校生の就職状況をみると、私立高校全体では八二・八%の就職率で、残念ながら公立高校の八七・六%を下回る状況だ。私立高校の学科別就職率は、普通科が八〇・九%、農業科が一〇〇%、工業科が八七・七%、商業科が八三・一%、水産科が八一・八%、家庭科が八二・九%、看護科が八六・五%、総合学科が八一・七%、その他が八四・〇%。
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