こちらから紙面PDFをご覧いただけます。



全私学新聞

TOP >> バックナンバー一覧 >> 2003年5月23日号二ュース >> VIEW

記事2003年5月23日 1889号 (3面) 
幻のライセンス誕生
昨年末に「一級自動車整備士」試験
今春から養成課程スタート
  制度創設から五十余年も実際に資格試験が行われず「幻のライセンス」といわれてきた一級自動車整備士の資格が誕生した。
 自動車整備士の資格が創設されたのは一九五一年(昭和二十六年)だが、一〜三級と規定しながら実際に試験が行われたのは二、三級だけ。それで当面充分に整備できると判断され、その状態がずっと続いてきた。しかし自動車の電子制御能力の複雑化、高性能化とともに、車の機能や故障の説明についても、ユーザーへの的確な情報提供に対応できる整備士を育成しようと、一級の資格試験が平成十四年十二月に制度発足以来初めて実施され、九千二百三十六人が応募した中から筆記試験、口述試験、実技試験の三つの関門を通過した三百三十人(合格率三・六%)にこのほど晴れて一級整備士の資格が付与された。合格者の八割は自動車販売会社のディーラーが占めている。資格取得者の就職先もディーラーという期待が多いようだ。
 一級の受験資格は二級自動車整備士の資格を取得後、三年以上の実務を経験したものとされ、昨年の受験者は全員がその条件の該当者だが、平成十五年度からは一級自動車整備士養成課程も全国各地の自動車整備専門学校でスタートするので、その卒業生も受験資格を持つ。さらにこうした専門学校は各地方運輸局に実技試験免除の申請を出していて、施設やカリキュラムについての審査の結果がオーケーとなれば、筆記、口述、実技の三種目の試験のうち実技試験が免除されることになる。すでにこうした宣伝も行われていて一級資格取得をめざす入学者がかなりいる模様。
 一級自動車整備士養成課程の入学資格は二級整備士の資格を持つことであり、四種類ある二級資格のうちのどれとどれを持つかによって履修年限が二年になることも三年になることもある。
 一級自動車整備士には小型、大型、二輪の三種類の資格があるが、一級の資格試験は毎年一回、このうちの一種類について実施する程度の間隔になるだろうと国土交通省整備課ではいっている。昨年実施された資格試験はこのうち需要の最も多い小型(乗用車)だった。平成十五年度には昨年の小型の不合格者が数多く残っていて再挑戦を望む声が強いため、再び小型の試験になるのではないかと見られている。
記事の著作権はすべて一般社団法人全私学新聞に帰属します。
無断での記事の転載、転用を禁じます。
一般社団法人全私学新聞 〒102-0074 東京都千代田区九段南 2-4-9 第三早川屋ビル4階/TEL 03-3265-7551
Copyright(C) 一般社団法人全私学新聞