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記事2003年4月23日 1887号 (1面) 
内閣府の構造改革特区第一弾57件を認定
私立小中高 一貫教育校、英語で授業
不登校児童生徒の公立小・中一貫校
幼保の一体化推進
  内閣府の構造改革特区担当室は、四月十七日、構造改革特別区域計画の第一弾として五十七件を認定した。この中には教育関連三件、幼保一体化推進関連四件、産学連携関連十七件などが含まれている。このうち教育関連では群馬県太田市が中心となって作る、大半の授業を英語で行う学校法人立の小・中・高校一貫校の設置や、東京・八王子市が中心となって作る、不登校児童生徒のための体験型学校「ジュニアマイスター・スクール(仮称)」(公立の小・中一貫校)などがある。
 今回の認定は、四月一日から十四日までの一回目の申請で寄せられた百十一の団体による百二十九件の計画に対して、早い段階で申請があり、熟度の高い計画を特別に前倒しして認定したもの。残る七十二件の計画については引き続き審査を行い、五月中旬に第二弾の認定を行う予定。この中には県立高校で学校外学習の認定単位を拡大する宮城教育特区の計画等がある。二回目の認定申請は七月一日から。その後も十月、来年一月と認定申請が続く。株式会社等による学校の設置・運営の認定申請は十月から。
 特区認定第一弾の五十七件を分野別に見ると、(1)国際物流関連十一件(2)産学連携関連十七件(再掲分一件を含む)(3)産業活性化関連六件(同)(4)IT推進関連二件(5)農業関連五件(同)(6)都市農村交流関連六件(7)教育関連三件(8)幼保一体化推進関連四件(9)生活福祉関連六件。
 教育関連特区の群馬県太田市における英語による授業に特化した私立小・中・高校一貫教育校は平成十七年四月の開校。
 市と民間が協力して私立学校(学校法人)を設立し、当初三年間は小学校で一年生(定員三十人の二クラス)と四年生(同)を募集する。四年目からは一年生のみの募集で、中学、高校段階では原則募集しない。授業には検定教科書の英語版を使い、国語等を除き、大半の授業を外国人教諭が英語で行う。転校のケース等を考慮し授業内容は学習指導要領に沿って行う。
 小学校入学前に英語の事前準備をするプレスクールも開設する。
 一方、八王子市のジュニアマイスター・スクールは十六年四月の開校で、各生徒の学力に合わせた習熟度別ステップ学習や少人数授業、多様な体験学習等を実施する。市内の不登校児童生徒を十年で半減させる計画。
 産学連携では、仙台市での「国際知的産業特区」、鶴岡市の「鶴岡バイオキャンパス特区」、京都府・大阪府・奈良県での「けいはんな学研都市知的特区」等が認定された。特区では国立大学教員等の勤務時間内の兼業の容認、外国人研究者の受け入れ促進、国有施設等の廉価使用の拡大等が行われる。
 神戸市の先端医療産業特区では、平成十八年までに三十社を超えるバイオベンチャーの起業、十年間で五千四百人の雇用創出を見込んでいる。
 幼稚園と保育所との一体化等に関しては、群馬県六合村で合同活動を行うほか、埼玉県北本市、長野県、山口県防府市では三歳未満児の幼稚園入園を認める。
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