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記事2003年4月23日 1887号 (2面) 
東短協、関短協が事業計画決める
短大の制度位置づけを
【東短協総会】
コンソーシアム事業決定 図書館の相互利用など重点に

 東短協と関短協が相次ぎ、平成十五年度の事業計画、収支予算などを決めた。短期大学の今後を危惧(きぐ)する声がある一方、学生が短大に戻ってきているのもまた確かで、地域総合科学科の新設など、今後に向けての明るい兆しがうかがえる。日短協の総会を前に東短協、関短協は、それぞれ総会を開き提出議案を審議した。 東京都私立短期大学協会(佐藤弘毅会長=目白大学短期大学部理事長・学長)は四月十四日、東京・市ヶ谷の私学会館で春季定期総会を開催、任期満了に伴う全役員改選および、平成十五年度の事業計画および収支予算等について審議、決定した。平成十五年度からの新役員は総会で選任、その後理事会を経て、佐藤会長ならびに森脇道子副会長(産能短期大学学長・教授)の再任を決めた。任期は平成十五、十六年度の二年間。
 冒頭あいさつで佐藤会長は、「短期大学が厳しい現状にあることは確かだが、定員割れに苦しむ短期大学の比率は下がってきており、シェアの在り方というものが少し落ち着いてきたようにみえる。高等教育システムのなかにあって短期大学は非常に重要な一翼を担っている。とりわけ東京は全国から注目されており、東京から改革、東京から発進といきたい」と述べた。
 平成十五年度の新規事業としては「東京都私立短期大学協会コンソーシアム事業」の実施内容を決めた。前年度春季総会で設置を決め、十五年度の実施・展開を目指し準備していたもので、具体的な内容は(1)教職員の交流(2)体育大会(3)図書館の相互利用(4)コミュニティカレッジ講座の共同開催(5)学生共同発表会等。このなかで(1)については、「わが大学での新しい試み・工夫そしてチャレンジ」と題したSD(スタッフ・ディベロップメント)フォーラムを同日開催、守屋真二・目白大学岩槻キャンパス教務課長(前入試広報課長)から「大学活性化と学生募集のための新広報戦略」について、上田勉・東京農業大学短期大学部教務課長から「環境学生の育成と支援のためのプログラム」について、小板橋孝雄・産能短期大学入学・職業支援センター長から「就職支援プログラムへの取り組み」についての報告があり、その後教職員の意見交換と交流会を行った。十月には、学生に必要な教育方法を考える、FD(ファカルティ・ディベロップメント)フォーラムを開催する。(3)については協定校相互の学生ならびに教職員の教育・研究活動の充実を図るため、協定短期大学図書館間の相互利用を進めようというもので、賛同校を募っていく。また、各短期大学図書館間の情報交換なども行う。図書館相互利用規則が示され、了承された。(4)は会員校が実施する公開講座への参加推進を目的とし、講座開設一覧ポスターを各自治体の教育施設・高等学校等へ配付する。(5)については学生の制作発表会を開催したい意向で、まず服飾関係の学科をもつ短期大学に協力してもらい、今年度中に準備し、来年度からの実施を目指す。
 このほか、前年度に引き続き「学生英語スピーチコンテスト」「大学新任職員研修コース」「オーストラリア短期留学」関東私立短期大学協会との共催で「東京・関東地区大学・短大進学相談会」などを開催する。


【関短協総会】
第三者評価など論議 新会長に大野氏、副会長に佐久間氏


 関東私立短期大学は四月十五日、東京・市ヶ谷の私学会館で春季定期総会を開催、平成十五年度事業計画を決めた。
 開会に先立ち同会事務局から、三月二十六日に開かれた臨時役員会で新会長に大野誠・副会長(国際学院埼玉短期大学理事長・学長)が、佐久間勝彦・千葉経済大学短期大学部学長が新副会長に選出されたことを報告、承認された。会長の平方昇一氏(明和短期大学理事長・学長)が退任したのを受けたもの。
 事業計画としては、前年度に引き続き年二回の総会・講演会を開催する。
 また、会員短期大学の事務運営上の情報交換および相互理解を目的とした事務局長等研修会を七月に栃木県で開催する。このほか、私立短期大学の学内規則集(第18集)の刊行が報告された。私立短期大学の学内諸規則の制定・改定の参考となるよう、全国の私立大学・私立短期大学から資料提供を受けまとめたもの。

杉田局長講演制度上の位置づけなど

 総会に続き、杉田均・日本私立短期大学協会事務局長の「私立大学をめぐる諸問題について」と題する講演会が開かれた。同講演では、日本私立短期大学協会がこのほどまとめた「短期大学をめぐる諸問題に関する資料」が配付され説明がなされた。
 文部科学省の審議動向、大学設置基準改正、第三者評価機関などの法改正、規制改革などの話題が中心で、第三者評価制度の導入に際し短期大学基準協会が評価機関となるべく準備を進めており、評価項目・基準を協会としてどう考えるか、今月二十三日の定期総会に提示する予定であること、認証機関の法人格取得など今後日短協でも理事会などで組織・運営の在り方が課題となってくると述べた。
 中教審で審議されている高等教育のグランドデザインについては、日短協としても制度上の位置づけとして「大学四年制度へ目的規定の一本化」とする要望書を提出しており、準学士課程制度の導入・システムの一本化を要請しているが、現在のところ審議の行方は不透明であると述べた。
 このほか、「特色ある大学支援プログラム」については、すでに特色ある教育プログラムを行っている大学を対象とし選定していきたいとの文科省の意向もあり、地域総合科学科へ改組をされた短期大学への補助金配分を協会としても同省の私学助成課へ強く要請していくとの考えを示した。
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