文部科学省はこのほど、学校図書館の現状に関する調査結果を公表した。この調査は昨年八月、国公私立小、中、高校、中等教育学校、特殊教育諸学校における司書教諭の発令状況、読書活動の現状、学校図書館の蔵書状況、学校図書館図書整備費の予算措置状況について調べたもの。
　調査結果によると、司書教諭の発令数は平成十四年五月一日現在、公立学校が各学校種を合わせて三千三百人、公立学校全校に占める割合は八・三％、また国立学校は十一人、三・七％といずれも低調だったのに対して私立学校では千二十七人を数え、配置率も四七・二％と高く、司書教諭配置に積極的であることなどが分かった。
　読書活動の状況に関しては、公立学校のみの調査（平成十三年度）となっているが、全校一斉に読書活動を実施している学校の割合は、小学校で七七・八％、中学校で六〇・五％、高校で二四・六％となっており、このうち朝の始業前に読書活動を行っている学校は、小学校で六五・七％、中学校で四九・七％、高校で一六・三％となっていた。いずれも前回調査（平成十一年度）と比べて大幅な伸びが見られ、活発化していることが分かった。また読書活動にボランティア等の協力を得ている学校は、小学校で三一・五％と比較的に高かったが、中学校ではその比率が一一・五％に、高校ではわずか二・五％にまで低下していた。
　一校当たりの蔵書冊数は小学校で六千六百八十三冊、中学校で八千三百六十四冊。蔵書のデータベース化に関しては、平成十四年三月三十一日現在、小学校で一七・四％、中学校で一八・二％、高校で四二・二％で、データベース化一〇〇％を達成した学校は、小学校で七・〇％、中学校で五・八％、高校で八・八％に上った。