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記事2003年3月3日 1882号 (6面) 
都立中高一貫教育校の設置計画
新タイプの都立高15年度から順次開校
中等教育学校に三つのタイプ
併設型は中高接続、連携型は特色を
  東京都教育委員会は生徒の希望の多様化や、少子化に伴う生徒数の減少などに対応するために、平成九年度から都立高校改革を進めてきた。十四年十月二十四日に発表した「都立高校改革推進計画・新たな実施計画の策定」では、十七年度から二十二年度までに、都立大学附属高校の改編による中等教育学校を含めて十校の「中等教育学校、併設型中高一貫教育校」を設置することを決めている。また、今年一月二十三日発表した「連携型中高一貫教育校」については、十五年、十六年から六校設置することを発表した。

 都教委の「中高一貫教育校の整備に関する検討委員会」は十三年十月に設置されて以来、中高一貫教育をめぐる最近の動向を踏まえ、中高一貫教育校の整備にかかわる諸問題について具体的に検討してきたが、昨年四月二十五日に最終報告を公表した。
 ここでは、中等教育の複線化の推進、さまざまな場面・分野でのリーダーとなり得る人材育成の必要性、子供や保護者の学校選択の幅の拡大などの理由から中高一貫教育校の整備の必要性を指摘している。
 都が整備する「中等教育学校および併設型中高一貫校」の整備の狙いはこうだ。
 「中高一貫教育の中で、教養教育を行い、子どもたちの総合的な学力を培うとともに、個の確立を図り、個性と創造性を伸ばす。また、使命感・倫理観、社会貢献の心、日本人としてのアイデンティティなど社会的な役割についての認識を深め、国際社会に生き、将来の日本を担う人間として求められる資質を育てる。このような中高一貫教育を行う中で、社会のさまざまな場面、分野において人々の信頼を得てリーダーとなり得る人材を育成する」。
 また、「連携型中高一貫教育校」は「これにより、中学生に高校レベルの教育を提供することや、学習面でつまずきを生じた高校生に対して中学校段階に立ちかえった教育を行うことを可能とする。また、生徒理解や教科指導等教員の指導力向上及び意識改革など、都立高校及び区市町村立中学校の活性化を図るとともに、各高等学校の教育目標に沿った生徒確保・受入及び中学生の目的意識の形成を図る」を趣旨としている。

教育課程編成、教員・生徒間交流 生徒確保・受け入れ図る
連携型

 東京都が設置しようとしている中高一貫教育校は次の三つのタイプだ。

(1)「中等教育学校」
一つの学校として、六年間を通じて中高一貫教育を行う学校で、中学に相当する前期課程と高校に相当する後期課程からなっている。ここでは後期課程からの生徒募集は行わない。中等教育学校に通った場合に義務教育との関係が問題となるが、前期課程の三年間が義務教育に当たるとし、前期課程を修了すると、中学校卒業と同じ扱いになるとしている。

(2)「併設型の中学校・高校」
都立中学校と都立高校の二つの学校を接続するタイプ。併設型の中学校から併設型への高校へは入学者選抜試験をせずに進学できる。併設型の高校は、他の中学校卒業者を対象に一般募集も行う。

(3)「連携型の中学校・高校」
さまざまなタイプの都立高校が区市町村立中学校と教育課程の編成や教員・生徒間交流などで連携する。連携型中学校の卒業生について、中学校長からの「推薦に基づく選抜」を行う。このタイプでは、中学校の場合は区市町村が決めた通学区域を対象に生徒募集を行う。





都立高でも進む中高一貫教育

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