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記事2003年3月13日 1883号 (2面) 
学部設置等、大幅な届け出制に
文部科学省が大学設置基準改正等で説明会
学位の種類分野変更等で区分
短大学科、大学院研究科も同じ
  文部科学省は三月三日、東京・千代田区の文部科学省分館で「大学設置認可関係説明会」を開催した。昨年の臨時国会で、大学設置認可の弾力化や専門職大学院の制度化などを柱とした学校教育法の一部を改正する法律が成立、平成十五年四月一日(一部平成十六年四月一日)から施行されるのを受けて大学設置者を対象に開かれたもの。大学設置については今回の改正により、これまで認可が必要だった事項の多くが届け出だけで可能となる。

 現行制度では大学の学部、大学院の研究科等の設置廃止を行う場合、一律に文部科学大臣の認可が必要だが、今後、公私立の大学等が学位の種類および分野(短期大学の学科の場合は、学科の分野)の変更を伴わない場合もしくは、収容定員の総数の増加を伴わない場合、届け出となる。また、学部、学科、短期大学の学科、大学院の研究科、専攻の廃止を行う場合も届け出となる。短期大学から大学への移行についても、同様の措置となる。
 学部・学科等の設置についても、以下の十七の分野に属する学部・学科等を有する大学が新たな設置を行う場合、届け出となる。当該分野は、文学関係、教育学・保育学関係、社会学・社会福祉学関係、法学・政治学関係、経済学関係、理学関係、医学関係、歯学関係、薬学関係、保健衛生学・看護学・医療技術関係、工学関係、農学関係、家政学関係、美術関係、音楽関係、体育学関係、獣医学関係。また既設の学部・学科等を基礎として、新しい学部・学科等を設置する場合は、当該学部・学科等の教員から新たな学部・学科等の教員基準の二分の一以上移行する場合は届け出とし、既設学部等の組織が学際融合分野に該当する場合も同様となる。専攻分野がまたがるなど特殊なケースについては、一定期間データを集めて公表する。
 臨時的定員(臨定)は、平成十七年度以降すべて廃止され、臨定の廃止に伴う恒常的定員の増加は、平成十六年度開設分までは可能となる。
 設置認可等の審査に係る申請は、大学の新規設置の場合、四月末申請、大学院大学の新規設置は六月末申請となる。また統合など審査が不要なケースでは六月末の申請が可能となった。それ以外の学部設置等については六月末と九月末申請となり、専門職大学院に係る研究科および専攻の設置も六月末申請となる。申請を受けて、大学設置分科会で審査・判定する。なお収容定員増については、四月末、七月末、九月末の三回申請可能。学部学科の設置に係る書類の内容は、学校法人などの独自判断での申請が可能だが、要件に不適合があった場合、差し戻しなどの措置がとられるため、事前に判断をうかがう機会を設けている。
 大学設置基準改正要綱では、教員の年齢制限の廃止、校舎および付属施設以外の場所での授業が可能となるなどの変更が加えられ、新たに収容定員について基準が設けられた。
 これまで同一設置内の大学における申請年度から過去四年間(修業年限が六年の学部は六年間)の入学定員超過率の平均が学部単位で、当面一・三以上(現行一・五)の場合は、原則として大学等の設置及び定員増は認めないとしていたが、今年申請する平成十六年度のものについてはこれまで通り一・五で、来年申請分の平成十七年度のものから一・三を適用する。その後平成二十年度まで経過措置がとられる。
 このほか、学校教育法の改正に伴い、私立学校法についても一部改正され、学校法人の寄附行為の変更についても届け出となった。寄附行為の変更があった場合、遅滞なく届け出をすることとしているほか、設置に必要な財源については、負債とならない収入を収納していることとしたこれまでの措置を変更し、負債とならない収入により積み立てられた資産を保有していること、となっている。また学納金から繰り入れる場合、学納金総額の一五%以内とのこれまでの基準は廃止された。
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