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全私学新聞

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記事2003年3月13日 1883号 (2面) 
国の経常費補助実現 裏付けとなる理論構築推進
全専各連
助成と設置基準が課題
  全国専修学校各種学校総連合会(鎌谷秀男会長=修成建設専門学校理事長)は、三月五日、東京・千代田区内のホテルで定例総会等を開き、平成十五年度の事業計画等を決定した。新年度の事業計画については、現在、対象外となっている国による経常費助成の実現、専修学校制度の改正と新たな教育制度の創設を最重要課題とし、その実現を目指すことを決めた。

 国による経常費助成に関しては、専修学校各種学校の学生生徒数が約百万人にも上るものの対象から外され、一条校と大きな格差が生じているとして、その格差是正を図る。今後は調査研究を行いながら、国庫補助の裏づけとなる理論的構築を進めていく。また設置基準に関しては専修学校制度の中に専門課程(高等教育)、高等課程(中等教育)、一般課程(生涯学習)と三つの課程があり、分かりにくいことや、大学・短大が最近の設置基準の弾力化等で、これまで以上に軽いフットワークを発揮できるようになり、専修学校等の“お株”を奪われかねない状況にあることなどから、分かりやすく、専修学校の活力を発揮しやすい設置基準への改正を求めていく。さらに高度な実践的専門職業教育の要請に応えるため、インターネットの活用を含めた通信教育課程の創設や、専門大学制度の創設を目指す。中央教育審議会の大学分科会や基本問題部会の審議動向、さらにその後の学校教育法の見直しなどでも積極的に専修学校としての要望実現を働きかけていく。このほか全国学校法人立専門学校協会など課程別設置者別部会とも連携して重要課題の実現を目指す。


「専門大学」を創設 高等教育での位置付け働きかけ
全国学校法人立専門学校協会

 全国学校法人立専門学校協会(鎌谷秀男会長=修成建設専門学校理事長)は、三月六日、東京・千代田区内のホテルで定例総会を開き、平成十五年度の事業計画等を決めた。十五年度には中央教育審議会の基本問題部会や大学分科会などに働きかけて、専門学校の高等教育機関としての地位を確立する。具体的には教育基本法、教育振興基本計画に職業教育が大きな柱として位置づけられることを目指すと同時に、今後審議される高等教育に関するグランドデザインでの専門学校の確固たる位置づけを図る。
 また専修学校制度の見直しに関しては、制度的に分かりにくいと同時に、高等教育機関としての使命や目的が明確でないといった制度的な限界があるとして、学校法人立専門学校の位置づけを設置基準改正で明確にする考え。さらに専門大学制度の創設、専門学校における通信教育の制度化、専門学校卒業生や大学・短大の卒業者を対象に高度な実践的専門職業教育の要請に応える大学院レベルの「高度職業教育機関」の導入を研究する。このうち専門大学制度の創設に関しては、総会前に行われた同協会の常任理事会で協会内に設置されていた専門大学推進委員会から「専門大学に関する答申」が提出された。答申を受け取った鎌谷会長は、「全専各連と合同で正副会長会を開き、内容を検討していきたい」と語り、具体化に向けて新たな委員会の設置等も視野に入れて歩を進めていきたい考えを強調した。専門大学に関しては昨年七月、同委員会の発足段階で運営形態を学校法人として理事会、評議員会を設けるほか、産業界の声を取り込む産業評議員会(仮称)の設置、第三者機関による客観的評価・認定等が構想されているが、今後の検討で変化することが予想される。
 また十五年度には経常費補助金等の実現を目指し、留学制度や日本育英会の奨学金支給学生数での大学との格差是正を求めていく。雇用対策に呼応した社会人教育の推進も関係官庁等に働きかけていく。
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