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記事2003年2月3日 1879号 (7面) 
新校長インタビュー (71) ―― 桜丘女子中学・高等学校
校長 平 美佐子氏
分かる喜び学ぶ楽しさ
進学実績の目標を数値化


  桜丘女子中学・高等学校(平美佐子校長、東京都北区)の校内には、随所に世界史の教科書・資料集グラビアを飾るような知的遺産のレプリカが飾られている。
 平校長は「なるべく、自然に気がついて、知識欲や感性が刺激され、これがきっかけになり生徒のいろいろな可能性が生まれるようになればと思います」と期待をかける。
 同校は十四年度から「Rebirth」をテーマに新生桜丘を目指している。授業を通して生徒が学力をつけることと、教師自身が変わること、この二つを原点に置き目標を決めた。大きな目標の一つは「進学実績の目標を数値化すること」だ。そのために、授業内容とカリキュラムの改定、教員の進学指導研究の充実と進学支援体制の確立および生徒の学習習慣づけの徹底指導を行う。
 さらに、今年度からの新たな取り組みの一つは、生徒に対して「授業アンケート」を実施したこと。板書の内容、授業への理解度、進学のことなど内容は詳細な点にまで及んでいる。この結果を担任、そして教科担当者が参考に授業に生かす。これは同校に合った授業の方法を明確にさせるためだ。
 また、校長、教頭、副教頭による「授業観察」も行った。生徒の学習状況を見て、生徒の興味の示し方、教師の教え方などについて担当教師と観察者がディスカッションする。
 校長室の前に据えられた「校長直接意見箱」は「学校をよくするために生徒と一緒に考えていこう」という趣旨で設けられ、生徒は要求事項やその理由などを書いて入れておけば、回答は校内に掲示される。
 同校の特色である英語教育と情報教育(「e―教育」)は外部から高い評価を得ており、生徒たちは英語やパソコンをツール(道具)として活用したプレゼンテーションでは内外の大会で好成績を収めている。「CALL」(Computer Assisted Language Learning)と呼ばれている、コンピュータを使っての英語教育は英会話だけではなく、生徒一人ひとりが主体的に自分のぺースで語彙や表現を身につけることができるシステムだ。
 「生徒は原石ですから可能性を引き出したい。分かる喜び、学ぶ楽しさを味わってほしい。卒業後も本校で身につけたことが生きていると思われる“いい教育”をしたい」
 平校長の二年目の取り組みが始まる。
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