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記事2003年2月3日 1879号 (7面) 
京都と熊本私学が振興大会
教育費の格差是正強調
「新時代の教育は私学から」 京都大会
学校選択の自由を実現へ 熊本大会
【京都府】

 京都府私立中学高等学校保護者会連合会(稲田昌広会長)と京都府私立中学高等学校経営者協会(小野山利雄会長)は昨年十一月十六日、京都市・京都産業会館で「新時代の教育は私学から」を大会スローガンに京都私学振興大会を開催した。会場には七百人を超す、私学へ子供を通わせる保護者らが結集した。
 大会は第一部では聖母学院中学高校によるハンドベル演奏、第二部では京都府私立学校教育功労者表彰式、第三部では大会決議などが行われた。
 このうち、第三部では主催者あいさつとして、稲田会長は「私学は建学の精神の下に心の教育を重視している。今後、一層学校と保護者とが協力し、お互いが努力する必要がある」と述べた上、私学に対する補助金の増額を要請した。小野山会長は「公私立間での保護者の負担する教育費の大きな格差は社会的問題だ」とし、教育費格差是正の必要性を強調した。
 来賓として山田啓二・京都府知事の祝辞を代読した麻生純・京都府副知事は「私学は建学の精神の下に新しい教育に取り組み、成果を上げている。府は私学振興を重要な施策として位置づけ、私学振興の充実に努力していく」と祝辞を述べた。
 大会では(1)私立学校振興助成法の精神に則り、私学に対する国庫補助制度を堅持するとともに京都府の私立中学高等学校経常費補助金の大幅な増額の要請(2)保護者教育費負担の公私間格差是正の要請(3)保護者の経済的負担軽減のための税制改正の要請この三点を決議した。また功労者表彰式では、七十二人が表彰され、眞木意令・京都府私立中学高等学校連合
会長(京都学園中学高校長)が「私学の特徴を発揮し、京都府民の期待に応え、この難関を乗り切ってほしい」と式辞を述べた。

【熊本県】

 熊本県私立中学高等学校振興協議会(杉村邦明会長)と熊本県私立中学高等学校協会(上田祐規会長=鎮西高校長)は昨年十一月二十日、熊本市のメルパルク熊本で第二十六回熊本県私学振興大会を開催した。会場には私立学校へ子供を通わせる保護者と教職員ら五百人が集まった。
 大会では文化活動・体育活動で全国優勝した生徒・団体の表彰や、私学教育に顕著な功労があった者などに対する表彰も行われた。
 主催者を代表して、杉村会長、上田会長は同県の私学が果たしてきた役割を評価し、文化活動や体育活動でも今後、一層実績を上げていこうと述べた。これに対して、来賓として潮谷義子・熊本県知事は私学が建学の精神に基づき特色ある教育を展開していることを高く評価し、荒木詔之・熊本県議会議長も私学の独自の教育をたたえた。
 大会では(1)保護者の経済的負担は公私間に大きな格差があり、「学校選択の自由」を実効性のあるものとするため、公私立間のバランスに十分配慮した私学助成(2)昨今の厳しい経済情勢に鑑み、教育費が保護者の大きな負担となり、授業料の納付が困難な生徒が増加している。この対策として授業料軽減等の助成の充実(3)高等学校就学人口の大幅な減少期における生徒募集については、公私共存の観点に立った募集計画を策定されるとともに、そのための諸施策この三点の実施を決議した。
 生徒による部活動の発表に続いて「エイズは克服できるか」と題した講演が原田信志・医学博士(熊本大学)によって行われた。

表彰式典で受賞者を励ます眞木会長


大会では授業料軽減などの助成拡充を決議

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