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記事2003年2月3日 1879号 (8面) 
ユニーク教育 (114) ―― 学校法人石川高等学校
感動教育を教育方針に
世界に活躍できるリーダー養成

森涼校長

  学校法人石川高等学校(森涼校長、福島県石川町)はいま、「感動教育」を教育方針としている。
 「教育の基本は感動であると、長い間、思い続けてきました。感動は、感動する心があって、初めて人に伝えることができます。本校が育てようとしている人材は、自ら感動し、また感動を伝えることによって、人の心を動かすことができるリーダーです」と森校長は熱く語る。
 授業を理解する感動、受験に打ち勝つ感動、スポーツに情熱を燃やす感動分野、規模を問わず、感動する心だ。その成果は進学、就職に大きな成果となって表れてきた。スポーツでは、野球部が春夏合わせて十二回の甲子園出場を誇るまでになっており、「感動教育」には、まさに文武両道の精神が貫かれている。
 教師にも感動する気構えがみなぎっている。生徒といっしょに笑って、泣いて、学んでいこうという姿勢で接している。
 同校は明治二十五年、「学んだことは必ず実行すべし、学問と行動は分離せず」という、創立者森嘉種氏の「行学一如」を建学の精神に掲げ、福島で初めての私学として誕生。昨年九月二十八日には創立百十周年記念式典が行われ、新たな歴史の一歩を歩み始めた。
 生徒一人ひとりが感動を味わうために最良と考えたカリキュラムが、二課程三コース制だ。二課程は特別進学課程と普通課程。
 特別進学課程は四年制大学に現役で合格するために設置された。三年間、みっちり進学のための授業を行う。二年生からは文系と理系の希望に沿ったカリキュラムを選択でき、二年間で三年分の科目の内容を終了することが特徴だ。三年生になると、進学希望の大学に合わせた科目に集中する。十四年度の大学への現役合格率は九六%を誇る。
 また、普通課程では二年生になってから進学、情報ビジネス、教養の三つのコースに分かれる。情報ビジネスコースは情報技術(IT)に対応できる人材育成が目標で、簿記、コンピュータ利用技術、ワープロ検定など、資格別の授業も行っている。また、同校は「次世代ITを活用した教育研究指定校」に選定され、学内LANや光ファイバーを採用したインターネット回線も整備されている。全クラスに一台、インターネットに接続できるパソコンが設置されており、休み時間には生徒に開放され、大いに活用されている。
 教養コースはさらに(1)人文科学系(2)自然科学系(3)社会福祉系(4)国際理解系カリキュラムに分かれる。グローバルな視点でリーダーを育成するために十五年度の推薦入試から「留学推薦」を特進課程に新設、成績優秀者には特待生として留学費用の半額を交付する。実用英語技能検定試験準二級を取得していることと、留学を希望することを条件に推薦枠を設けた。特待生は同校に在籍したまま留学でき、授業料は免除、留学中の単位も取得できる。
 「生徒諸君には地域(ローカル)を見据えたリーダーに、世界(グローバル)へ飛躍できるリーダーに育っていってほしいと願っています。私たちが行う授業はもちろん、進路指導や生活指導、クラブ活動の指導も、あくまでも人材育成の手段、プロセスです」と、森校長は石川町で、福島県で、日本で、世界で活躍できるリーダー育成に情熱を燃やしている。

夢と白球を追いかける野球部

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