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記事2003年12月3日 1918号 (1面) 
国庫補助一兆円削減 退職手当を一般財源化 私学助成も削減懸念
三位一体改革
 いわゆる三位一体の改革の初年度となる平成十六年度について、小泉首相は国庫補助負担金一兆円(十八年度までに四兆円程度)の廃止・縮減を指示、削減額を割り当てられた文部科学省など四省はその捻出に取り組んでいるが、これまでのところ文部科学省は義務教育費国庫負担金の退職手当等(二千三百億円)の一般財源化には合意しているものの、さらに二百億円程度の上積みを求められている模様。十一月二十八日の経済財政諮問会議で決着が図られると思われていた「一兆円の問題」も大きな進展はなかった模様で、小泉首相は「地方の自由度を増すことに結び付けてほしい。引き続き財務大臣と総務大臣がイニシアチブをとって進めてほしい」と改めて指示した。文部科学省は削減額の上積みに関しては検討を続けているが、私学関係者の間では私立高等学校等経常費助成費補助金の削減を懸念する声も上がっている。全国知事会は平成十六年度に優先して廃止すべき国庫補助負担金として教育・文化分野で私学助成を挙げている。
 二十八日の経済財政諮問会議では、麻生太郎総務大臣から、文部科学省の進める「退職手当等」を切り離して国庫負担から除外することは地方の自主性の拡大につながらず、地方への単なる負担転嫁であり、反対とし、特定目的ごとに文部科学大臣が定める「加配」教職員に係る国庫負担金(千九百億円程度)と「学校事務職員」に係る国庫負担金(千二百億円程度)の削減を求めた模様。一兆円問題の決着はさらに先送りされる可能性もある。またこの日は、来年度の予算編成の基本方針案を審議したが、教育分野では▽大学について第三者機関による厳格な成果評価等により競争環境を整備する▽専門職業人養成を目的とする高度で多様な教育機会を拡充する▽初等中等教育では地方の自主性を一層尊重するとともに、学校や教員の個性と競争を重視するなどの方針が盛り込まれている。
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