大学設置・学校法人審議会（文部科学大臣の諮問機関）は、十一月二十一日、平成十六年度から新たに開設する大学、短期大学等を河村建夫文科相に答申した。
　今回、答申されたのは、(1)大学の新設十六校（公立三校・私立十三校）(2)短期大学の新設二校（私立）(3)大学の学部の増設二十二校（公立一校・私立二十一校）(4)短期大学の学科増設六校（私立）(5)大学の学部の学科の増設二校（私立）。また大学院では、(1)大学院大学の新設二校（私立）(2)大学院の新設十七校（公立三校・私立十四校）(3)研究科の設置六十八校（公立一校・私立六十七校）(4)専攻又は課程の設置二十六校（公立七校・私立十九校）(5)通信教育の開設二校（私立）、が答申されている。今回の答申から、開設後、改善に努めるべき留意事項が付されている。
　そのほか(1)国立の専門職大学院の設置（法科大学院を除く）四校(2)法科大学院の設置十九校、も答申されている。国立大学の設置は認可事項ではないが、公私立大学と同じように設置の可否について同審議会に専門的な立場から意見を聞くようになっている。
　来春、開校する私立大学等をみると、ソーシャルワーク学部、薬学部、看護学部、社会福祉学部など健康や福祉に関連する学部が目立つほか、通信教育課程の学部（共生科学部・生涯学習学部）設置も特徴の一つとなっている。
　新設の短期大学では動物看護学科、看護学科を開設する。大学の学部増設でもこうした傾向は同様。短期大学の学科増設では保育学科、看護学科の設置が目立つ。
　一方、大学院のうち専門職大学院に関しては、法科大学院（３面に詳報）以外では、助産研究科、総合科学技術経営研究科、福祉マネジメント研究科、イノベーション・マネジメント研究科、グローバルビジネス研究科、ファイナンス研究科、デザイン経営研究科、総合政策研究科といった専門職大学院が誕生する。
　◇
　これより先、十一月十二日には構造改革特区関係の（株式会社による）大学設置等が大学設置・学校法人審議会大学分科会に諮問された。
　諮問されたのは、▽ＬＥＣ東京リーガルマインド大学（総合キャリア学部総合キャリア学科、定員百六十人〈三年次編入学定員三十人〉、東京都千代田区三崎町、大阪府大阪市北区など）と、▽デジタルハリウッド大学院大学（デジタルコンテンツ研究科デジタルコンテンツ専攻Ｐ、入学定員八十人、東京都千代田区神田駿河台、授業の一部を大阪市北区で実施）。これらの学校については設置者に関して特例措置が認められたが、教員等に関しては通常と同じ審査が行われる。二月には答申が行われ、平成十六年度開設予定。