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記事2003年12月3日 1918号 (7面) 
新校長インタビュー (91) ―― 共立女子中学校
校長 平野 英雄氏
“自分色に輝こう”
中高完全一貫教育を実践


  「本校は『誠実、勤勉、友愛』という校訓のもとに、生徒一人ひとりの個性を伸ばし、自己の適性にふさわしい進路を開き“自分色に輝こう”ということを生徒たちに言っています」
 共立女子中学校(東京都千代田区)の平野英雄校長の生徒達に対する願いの込められたメッセージだ。
 共立女子学園は高校が平成十七年に、中学が十八年に新校舎が完成する。それを契機に共立独自の一貫教育を完成させる方針だ。
 共立では、六年という継続した教育期間で、効率的な一貫カリキュラムを確立するとともに、のびのびとした生活でも、中学時代は中学生としての期間に成し遂げられる自立意識を意図的に形成させる。単なる「経過点」で終わらせるのではなく中学生としての「到達」への意識が生み出す多様な能力を引き出すことが大切と考えているようだ。学年ごとに修学旅行を行うなど、生徒会や部活動は中高それぞれ独立した上で連携させるという工夫をしている。
 中学ではカリキュラムや授業面も考慮し、二期制を導入している。六年一貫の学習の継続性を強め、体系的理解を深める意図と、定期試験は必ず長期休み前に実施し、課題をもって休暇に入る体制とした。個々の特性を引き出し表現させる練習は各教科で熱心に行っている。例えば国語科は作文教育を重視し、生徒にさまざまな全国コンクールへの応募を奨励し、その成果が表れており、また、六日制三十四時間を堅持し、深みのある授業を維持していく。中学では、生活指導に一層力を入れるが、礼法教育を軸に基本的な生活習慣を身に付けさせる。また、美術や音楽、技術・家庭などの教科も重視し情操面での表現力も行き届いた指導を行っている。
 「本校の美術はどういう構図で、どのように描くかという指導を通して、最終的には自分なりの表現方法(アイデンティティー)を身に付けることができるようになるのです。こうした基礎教育はしっかり行っていますので、文化的レベルは相当に高いです」と平野校長は誇る。
 新校舎は、新たに専用食堂やラウンジを設置し、オープンスペースなど、ゆとりとふれあいのある空間の充実が図られている。同時により深く個々の特性に目を向けた共立独自の教育が着実に進化していくだろう。
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