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記事2003年12月23日 1920号 (2面) 
卒業後の臨床必修化
医療の在り方、研修医処遇検討
医大協総会
日本私立医科大学協会(川崎明徳会長=川崎医科大学理事長)は十一月二十日、東京・市ヶ谷の私学会館で第六十九回総会(秋季)を開いた。平成十五年度の事業報告(中間)を承認し、十六年度から実施する卒後医師臨床研修制度の必修化など、私立医科大学と私立医科大学病院の直面する問題について協議、報告した。
 開会で川崎会長は、同協会が創立から三十周年を迎えたことや医療保険制度改革、臨床研修制度必修化、共用試験の導入、国庫助成の確保、消費税による損税解消問題など医学・医療をめぐる環境が大きな転換期であることの報告を行った。特に、大学病院の医療の在り方などについて十分な検討を求めた。議案は▽今年度事業報告(中間)▽監事選出▽診断群分類別コストデータの取り扱い▽第八回私立医科大学・医学部学生生活実態調査実施などで、ほかに活動報告として▽医療安全対策委員会▽治験推進委員会▽卒前医学教育委員会▽卒後医学教育委員会▽研究体制検討委員会、での討議内容と今後の活動方針について報告があった。
 同協会の当面する重要問題の一つである、卒後医師臨床研修制度の必修化と今後の対応については、▽研修医の身分と処遇▽マッチング(研修医と研修施設の組み合わせ決定制度)▽研修内容(プログラム)――の在り方を、厚生労働省と折衝を続けてきたことを詳細に説明した。しかし、制度導入の前提となった研修医の身分と処遇について、国公私立の対応に格差があるとの情報も仄(そく)聞(ぶん)されるため、同協会ではさらに十分な財源措置を取るよう国に働きかけるとした。
 もう一方の重要問題である、大学病院の医療については、昨年度の診療報酬体系の改定と保険者機能の強化の影響で、私立医大病院が減収したことや、今年四月に特定機能病院等での急性期疾患入院患者に対して診療報酬包括支払い制度が導入され、四月から七月に特定機能病院等八十二施設が同制度に入ったことなどを報告した。急性期疾患包括医療制度の動向によっては、高度医療や教育研究の機関であり、特定機能病院でもある大学病院の機能そのものに影響する恐れがあることから、今後の課題とした。
 同制度と平行して、厚労省の「急性期入院医療の思考診断群分類を活用した調査研究班」が進めるDPC(急性期入院医療に係わる診断群分類別包括評価)については、同協会でワーキンググループをつくり協議を重ねていることを説明した。
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